農村から世界へ。冷静と情熱の「家電職人」が育てたミデアの物語
1. スタートは、農村のちっちゃな町工場
柴くん:
ねえ小雪ちゃん、ミデアって大企業になったけど、最初はどんな感じだったの?
小雪ちゃん:
実はめっちゃ小規模な町工場からスタートしたの。
1978年、中国の広東省・順徳っていう田舎町で、
何享健は地元の人たち20人くらいと一緒に「プラスチックの瓶」を作る工場を始めたの。
柴くん:
えっ、最初は家電じゃなかったんだ!
小雪ちゃん:
うん。でもね、その小さな工場から「地元の暮らしをよくしたい」って気持ちで、
扇風機、エアコン、炊飯器って次々に商品を増やしていったんだよ。
2. 国家のトップに呼ばれる“町工場の兄ちゃん”
柴くん:
町工場の社長さんが、なんでそんなに成功したの?
小雪ちゃん:
すごかったのは、「とにかく現場主義」だったこと。
現場に通っては、社員の声を聞き、製品のクレームにはすぐ対応してた。
しかも、政府からの支援がゼロだった時代に「自分たちでブランドを育てよう」って言って、
徹底して“品質第一”を貫いたんだよ。
柴くん:
なんか…ジャック・マーとかみたいなカリスマって感じではないね?
小雪ちゃん:
うん、むしろ“背中で語るタイプ”。でもその堅実さが評価されて、
中国政府から何度も表彰されてるし、国の経済戦略の会議にも呼ばれるようになったんだよ!
3. 「俺はもう要らない」——ミデアを託して去った男
柴くん:
そんなに評価されてたら、ずっと社長でいてもよさそうなのに?
小雪ちゃん:
でも彼、なんと2012年に社長をすぱっと辞めちゃうの。
柴くん:
ええっ、なんで!?
小雪ちゃん:
こんな言葉を残してるの。
🗨️ 名言
企业是属于时代的,不是属于我的
Qǐyè shì shǔyú shídài de, bù shì shǔyú wǒ de
会社は「時代のもの」であって、「私のもの」ではない。
小雪ちゃん:
つまり、「企業は自分の所有物じゃない。次の時代にバトンタッチすべきだ」って考えて、
当時40代だった後継者に社長を任せたんだよ。
柴くん:
かっこよすぎる…!潔さヤバい!
4. 豪邸もフェラーリもいらない
柴くん:
でもさ、有名企業の社長って、豪邸とか高級車とか持ってそうじゃん?
小雪ちゃん:
そこが何享健のすごいところ。彼、自分の生活はめっちゃ質素なんだよ。
・ずっと地元に住んでる
・愛車は普通の中国車
・お酒もたばこもやらない
・趣味は囲碁と読書
柴くん:
…なんか、うちのおじいちゃんに似てるかも(笑)
小雪ちゃん:
しかも引退したあとも「ミデア財団」を作って、地元の学校や病院の支援をしてるの。
お金の使い方が「未来のため」って感じなんだよね。
5. 世界の経営者たちが尊敬する“無口な職人”
柴くん:
でもさ、中国ってIT企業が目立つじゃん。
こんな職人みたいな人って、世界でも評価されてるの?
小雪ちゃん:
むしろ、世界の家電業界では「何享健ってあの静かな天才だよね」って有名だよ。
例えば👇
- パナソニックやダイキンとも技術連携
- ドイツ企業との共同開発も
- フォーブス誌でも「世界の影響力ある経営者」として紹介されたことあり!
柴くん:
たしかに、派手じゃないけど「芯がある人」って感じだね。
6. まとめ:表に出ない、でも誰よりも深く会社を愛した人
柴くん:
なんか今までの中国の社長とちょっと違うね。
小雪ちゃん:
うん。張瑞敏(ハイアール)は冷蔵庫壊して会社変えたし、ジャック・マーはスピーチで世界を動かすけど、
何享健は「しゃべらず、つくる」ってスタイルだった。
柴くん:
でも、その“静かなスタイル”が世界一の家電メーカーを育てたんだよね。すごすぎ。
小雪ちゃん:
うん。どんなに時代が変わっても、「誠実に、真面目にやること」が強さになる。
そんなことを教えてくれる経営者だよね✨
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