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🏢第141回 中国兵器工業集団(Norinco)

中国の会社
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― 世界最大級の兵器メーカー、中国の“軍需総合商社” ―


1|どんな会社?

柴くん:
「小雪ちゃん、“中国兵器工業集団”って名前がすごい迫力あるね…。どんな会社なの?」

小雪ちゃん:
「中国兵器工業集団、英語名で“Norinco(China North Industries Group)”は、中国最大の軍需企業であり、世界でもトップクラスの兵器メーカーだよ。戦車、大砲、ミサイル、火器、弾薬から電子装備まで、陸上兵器を中心にほとんど何でも作れる“軍需の総合商社”なんだ。」

柴くん:
「えっ、そんなに全部作っちゃうの?日本の三菱重工みたいな総合メーカー以上だね。」

小雪ちゃん:
「そう。実際、ノリンコは従業員27万人以上、グループ企業100社以上を抱える巨大組織なんだよ。」


2|どれくらい大きいの?

小雪ちゃん:
「2024年の売上は約11兆円。これは軍需産業としては世界トップ3に入る規模だよ。参考までに、アメリカのロッキード・マーチンが約12兆円、日本の三菱重工全体で約5兆円だから、ノリンコの規模の大きさが分かるでしょ?」

柴くん:
「うわ、軍需だけで三菱重工の倍以上って…!まさに“武器のデパート”だね。」


3|作っているもの

小雪ちゃん:
「ノリンコが扱う製品はものすごく幅広いんだ。」

  • 戦車:99式戦車など中国陸軍の主力戦車
  • 装甲車・歩兵戦闘車:各種モデルを量産
  • 火砲・ロケット砲:自走砲・多連装ロケット砲
  • ミサイル兵器:対戦車ミサイル、地対空ミサイル
  • 小火器:自動小銃、拳銃、狙撃銃など
  • 弾薬:あらゆる口径の弾薬を大量生産
  • 電子装備:照準器、火器管制システム、ドローン関連技術

柴くん:
「もう、陸上戦に必要なものは全部そろってる感じだね。自動小銃からミサイルまで!」

小雪ちゃん:
「そう。だからノリンコは“総合軍需メーカー”と呼ばれてるんだ。」


4|海外輸出の顔

小雪ちゃん:
「ノリンコは中国国内向けだけじゃなくて、発展途上国向けに武器を輸出している点でも有名なんだ。アジア、アフリカ、中東などに大量に輸出して、中国外交の裏支えになってる。」

柴くん:
「なるほど。武器の輸出で“影響力”を広げてるんだね。」

小雪ちゃん:
「そう。価格が比較的安いから、“西側兵器は高すぎるけど、中国製なら手が届く”って国が多いんだ。」


5|民生品も手がける

柴くん:
「でも、兵器ばかり作ってたら経済的にリスクもあるんじゃない?」

小雪ちゃん:
「いいところに気づいたね。実はノリンコは民生品も作ってるんだ。例えば自動車、化学製品、光学機器なんかもグループ内で生産してる。特に“北方工業(Norinco)”ブランドのSUVやトラックは一部で市販されてるし、双眼鏡やカメラの光学技術も軍民両用なんだ。」

柴くん:
「軍事と民生をつなぐ“デュアルユース”だね。」


6|日本との比較

小雪ちゃん:
「日本で一番近いのは“三菱重工”。戦車や潜水艦、ミサイルを作ってるけど、規模でいえばノリンコの半分以下。さらにノリンコは輸出にも力を入れているから、世界的な影響力では日本の比じゃない。」

柴くん:
「日本は専守防衛だから輸出がほぼないもんね。」

小雪ちゃん:
「そう。だからノリンコは“世界の武器市場”でアメリカやロシアと並んで存在感を示してる。」


7|課題

小雪ちゃん:
「ただし課題もあるよ。ノリンコは技術的にはアメリカやヨーロッパ製に比べてまだ劣る部分があるんだ。たとえば戦車の性能や電子装備はロッキードやBAEに比べると“質より量”の側面がある。」

柴くん:
「つまり“数では強いけど、質ではまだ差がある”ってことか。」

小雪ちゃん:
「そうだね。でも中国は研究投資を増やしてるから、差は少しずつ縮まってるよ。」


8|まとめ

  • 中国兵器工業集団(Norinco)は中国最大の軍需メーカー
  • 戦車・火砲・小銃・ミサイル・弾薬まで、あらゆる陸上兵器を生産
  • 2024年売上は約11兆円、世界軍需産業のトップ3に入る規模
  • 発展途上国への輸出で影響力拡大
  • 民生品(自動車・光学機器など)も生産
  • 日本(三菱重工)より規模・輸出力で圧倒的に大きい
  • 課題は技術水準の差と“量重視”の体質

小雪ちゃん:
「ノリンコは“軍事のデパート”みたいな存在。中国の安全保障だけじゃなく、外交戦略まで支えてるんだ。」

柴くん:
「すごい…。なんか『ガンダム』で言うジオンの“アナハイム・エレクトロニクス”みたいな会社だね(笑)」

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