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🏢第143回 金山雲(Kingsoft Cloud)

中国の会社
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― “第3のクラウド”を掲げる中国ITの挑戦者 ―


1|どんな会社?

柴くん:
「小雪ちゃん、“金山雲(キングソフトクラウド)”って聞いたことあるけど、あのオフィスソフトのKingsoftと関係あるの?」

小雪ちゃん:
「そうだよ!親会社は“金山軟件(Kingsoft Software)”。日本でも有名な“WPS Office(エクセルやワードの代わりになるソフト)”を作ってる会社だよ。そのグループのクラウド事業を担っているのが**金山雲(Kingsoft Cloud)**なんだ。」

柴くん:
「へぇ!ソフト会社からクラウドに広げたんだね。」


2|いつ設立されたの?

小雪ちゃん:
「2012年に設立されたから、まだ若い会社なんだ。中国クラウド市場はアリババクラウド(2009年〜)、テンセントクラウド(2010年〜)が先行してたけど、金山雲は“第3の選択肢”として台頭してきたんだよ。」

柴くん:
「つまり、アリババとテンセントに挑む“後発ランナー”って感じなんだね。」


3|どれくらい大きいの?

小雪ちゃん:
「2024年の売上は約1,800億円。アリババクラウド(約1兆7,000億円)、テンセントクラウド(約9,000億円)と比べると規模は小さいけど、中国国内のクラウド市場ではシェア第3位なんだよ。」

柴くん:
「なるほど。トップ2には差があるけど、しっかり地位を築いてるんだね。」


4|得意分野は?

小雪ちゃん:
「金山雲の得意分野は“映像・ゲーム・医療”なんだ。」

  • 動画配信:BilibiliやiQIYI(中国版Netflix)にクラウドサービスを提供
  • ゲーム:親会社Kingsoftや提携先のゲーム会社向けにサーバー提供
  • 医療クラウド:病院や医療機関に電子カルテ、AI診断支援サービスを展開

柴くん:
「アリババが“Eコマース”、テンセントが“SNS”に強いのに対して、金山雲は“映像と医療”っていうニッチで戦ってるんだね!」


5|どんなサービスがあるの?

小雪ちゃん:
「基本的にはAWS(アマゾンのクラウド)やAzure(マイクロソフト)と似てるよ。」

  • クラウドサーバー(IaaS)
  • データベース、AI分析(PaaS)
  • セキュリティ、医療向けアプリケーション(SaaS)

小雪ちゃん:
「特に医療クラウドは中国政府も推していて、金山雲は地方都市の病院をつなぐ“医療データ基盤”を作る役割を担っているんだ。」

柴くん:
「クラウドって聞くとIT企業だけのものって思うけど、病院にも使われてるんだ!」


6|なぜ生き残れているの?

柴くん:
「でも、アリババやテンセントに比べて小さいのに、なんで生き残れてるの?」

小雪ちゃん:
「理由は3つあるよ。」

  1. 親会社Kingsoftのブランド力(WPS Officeで中国中に知名度がある)
  2. 動画配信やゲーム特化(配信トラフィックに強い技術)
  3. 政府案件とのつながり(医療クラウドや行政データの受注)

小雪ちゃん:
「だから“小さいけど強い分野がある”っていう戦い方で生き残ってるんだ。」


7|日本企業との比較

柴くん:
「日本のクラウド企業と比べるとどうなの?」

小雪ちゃん:
「日本だとGMOインターネットさくらインターネットがクラウドをやってるけど、規模はもっと小さい。さくらの売上は約300億円だから、金山雲の1/6くらい。つまり金山雲は“日本の中堅クラウド企業”よりもずっと大きい規模なんだ。」

柴くん:
「なるほど、中国市場の大きさを感じるね。」


8|課題とこれから

小雪ちゃん:
「課題は“収益性の低さ”。実は金山雲はまだ赤字なんだ。競争が激しいから、価格を安くしてシェアを広げてるんだよ。」

柴くん:
「つまり“ユーザーを増やすために今は投資フェーズ”ってことか。」

小雪ちゃん:
「そう。長期的には医療クラウドやAI分野で黒字化を目指してるよ。あと、海外展開も模索していて、東南アジアや日本の企業との提携も視野に入れてるんだ。」


9|まとめ

  • 金山雲は2012年設立、親会社はWPS Officeで有名なKingsoft
  • 中国クラウド市場の第3位、売上は約1,800億円(2024年)
  • 強みは映像配信・ゲーム・医療クラウド
  • アリババ(約1.7兆円)、テンセント(約9,000億円)には劣るがニッチで生き残り
  • 日本のさくらインターネットやGMOより規模が大きい
  • 課題は赤字脱却と海外展開

小雪ちゃん:
「金山雲は“クラウド戦国時代”の中で、アリババやテンセントの陰に隠れながらも、独自のポジションを築いてる会社なんだよ。」

柴くん:
「なるほど!まさに“第3のクラウド”っていうキャッチコピーがピッタリだね。」

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