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🏢第149回 安徽海螺水泥(Anhui Conch Cement)

中国の会社
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― 世界一の“街づくり請負人” ―


1|どんな会社?

柴くん:
「小雪ちゃん、“安徽海螺セメント”って、名前はセメント会社っぽいけど、どれくらい大きな会社なの?」

小雪ちゃん:
「安徽海螺セメント(Anhui Conch Cement)は中国最大のセメントメーカーで、世界でもトップクラスの企業なんだ。設立は1997年で、本社は中国東部の安徽省・蕪湖市にあるよ。」

柴くん:
「中国って建物も道路もどんどん作ってるイメージだけど、やっぱりセメント産業もすごく大きいんだね。」

小雪ちゃん:
「そう。“セメント=街づくりの基礎”だから、中国の都市化ブームと一緒に急成長してきたんだよ。」


2|どれくらい大きいの?

小雪ちゃん:
「2024年の売上は約3.5兆円。純利益も約5,000億円あって、世界最大級のセメント会社なんだ。ちなみに日本最大の太平洋セメントの売上は約9,000億円だから、海螺セメントはその4倍規模だね。」

柴くん:
「4倍!?もう桁違いだね。」

小雪ちゃん:
「従業員も5万人以上いて、中国国内に300を超える生産拠点を持っているんだ。」


3|どんな製品を作ってるの?

小雪ちゃん:
「主力はもちろんセメントとクリンカー。それに加えて、骨材やコンクリートも扱っているよ。つまり“セメントを作るだけ”じゃなくて、建設現場が必要とする資材をトータルで供給してるんだ。」

柴くん:
「なるほど!“セメントの工場”ってより、“街づくりのスーパー商社”みたいな感じか。」

小雪ちゃん:
「そうだね。だから中国の高層ビル、地下鉄、道路、ダム…どこに行っても海螺セメントの製品が使われていると言われてるよ。」


4|なぜ強いの?

柴くん:
「でも、セメントってどこの国でも作れそうだよね。なんで海螺セメントはそんなに強いの?」

小雪ちゃん:
「理由は大きく3つあるよ。」

  1. 規模の経済:巨大な生産能力でコストを下げられる
  2. 省エネ・効率化技術:最新設備を導入してコスト競争力を高めた
  3. 政府とのつながり:国有企業グループに属していて、公共工事の需要を取り込める

小雪ちゃん:
「特に2番目の効率化は有名で、海螺セメントの生産ラインは“世界最高水準”って評価されてるんだ。」


5|海外進出

小雪ちゃん:
「海螺セメントは海外にも積極的に進出してるよ。東南アジア(インドネシア、カンボジア、ミャンマー)、アフリカ(ナイジェリア、アンゴラ)などで工場を建てていて、“現地生産・現地供給”のモデルを広げてる。」

柴くん:
「なるほど!中国国内の需要だけじゃなくて、海外のインフラ需要も取り込んでるんだね。」


6|ライバルとの比較

小雪ちゃん:
「世界のセメント業界で有名なのは…」

  • ラファージュホルシム(スイス):世界最大級のセメントメーカー、売上約3.8兆円
  • 安徽海螺セメント(中国):売上約3.5兆円で2位クラス
  • 太平洋セメント(日本):売上約9,000億円、国内1位だが世界では中堅

柴くん:
「つまり、世界的に見ても“スイスのホルシム vs 中国の海螺”って感じなんだね。」

小雪ちゃん:
「そう。しかも中国市場の巨大さを考えると、海螺セメントは世界の建設需要の中心にいる存在なんだ。」


7|環境問題への対応

柴くん:
「でもセメントって環境に悪いって聞いたことあるけど…」

小雪ちゃん:
「その通り。セメントは製造過程で大量のCO₂を排出するから、世界的に問題になってる。海螺セメントも“環境対応”を重要課題にしていて、」

  • 余熱発電の導入
  • 廃棄物のセメント原料化
  • CO₂削減技術の研究

を進めてるんだ。

柴くん:
「EVや再エネだけじゃなくて、セメント業界も“脱炭素”がテーマなんだね。」


8|日本との関わり

小雪ちゃん:
「日本とも少し関わりがあるよ。中国企業の中では珍しく、技術提携や国際展示会で日本のセメント業界とも交流しているんだ。今後は“低炭素セメント”分野で協力の可能性もあると言われてるよ。」

柴くん:
「なるほど、日本の太平洋セメントや住友大阪セメントと、競争だけじゃなく協力もありえるんだね。」


9|課題

小雪ちゃん:
「課題は大きく2つ。」

  1. 中国国内需要の減速:不動産バブル崩壊でセメント需要が落ちてきている
  2. 環境規制:CO₂削減への対応コストが上昇

柴くん:
「つまり“国内依存”から“海外市場+環境技術”にシフトしないと厳しいんだね。」


まとめ

  • **安徽海螺セメント(Anhui Conch Cement)**は中国最大、世界トップクラスのセメントメーカー
  • 2024年売上は約3.5兆円、日本の太平洋セメントの4倍
  • 中国の都市化を背景に急成長、海外にも進出
  • 世界のライバルはラファージュホルシム(スイス)
  • 課題は中国不動産需要の減速と環境対応
  • “世界の街づくり”を担う存在

小雪ちゃん:
「海螺セメントは“コンクリートで世界をつなぐ会社”。地味に見えるけど、インフラや街づくりの裏では欠かせない存在なんだよ。」

柴くん:
「なるほど!派手さはないけど、なくてはならない“街づくりの巨人”なんだね。」

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