DJIを世界一にした「ドローンの父」
1. どんな人物?
柴くん:小雪ちゃん、DJIってドローンで有名だけど、創業者の汪滔ってどんな人なの?
小雪ちゃん:汪滔(ワン・タオ/英語名 Frank Wang)は1980年生まれ、浙江省出身のエンジニアだよ。大学時代から「空を飛ぶロボット」に夢中で、ドローン研究に没頭していたの。
柴くん:学生時代からドローン一筋?
小雪ちゃん:そう。香港科技大学でヘリコプターの安定制御を研究して、仲間と一緒に小さなチームを作ったのがDJIの原点。2006年に正式に創業したんだ。
2. なぜドローンに夢中になった?
柴くん:なんでそこまでドローンにハマったの?
小雪ちゃん:きっかけは子どもの頃の“飛行機好き”。でも既存のラジコン飛行機やヘリは安定しなくて、すぐ墜落してしまう。そこで「誰でも簡単に飛ばせる空のロボットを作りたい」と考えたんだ。
柴くん:オタク魂から世界企業が生まれたんだね。
3. DJIの誕生と急成長
小雪ちゃん:2009年に最初の飛行制御システムを商品化。その後2013年に登場した「Phantom」が大ヒットして、空撮ドローンの代名詞になった。
柴くん:あの白いドローン!YouTubeの空撮映像とか一気に増えたよね。
小雪ちゃん:そう。そこから「Mavic」「Inspire」といったシリーズを次々と投入して、映像業界・農業・測量など多方面で使われるようになった。今やDJIは世界シェア7割以上だよ。
4. 汪滔の名言と哲学
柴くん:汪滔ってどんな考え方を持ってるの?
小雪ちゃん:代表的な言葉があるよ。
- 「技术是我们的语言」(Jìshù shì wǒmen de yǔyán/技術こそが私たちの言葉だ)
- 「让天空触手可及」(Ràng tiānkōng chùshǒu kějí/空を誰もが手にできるように)
柴くん:かっこいい!「技術を語るより製品で示す」っていうエンジニア魂を感じるね。
小雪ちゃん:そう、彼は派手なプレゼンや広告よりも、ひたすら技術で勝負するタイプなんだ。
5. 世界の評価と資産
柴くん:起業家としても有名なの?
小雪ちゃん:もちろん。フォーブスの長者番付にも登場していて、若くして数千億円規模の資産を築いた。世界で「ドローンの父」と呼ばれるくらいの存在だよ。
柴くん:すごい!ジャック・マーやポニー・マーとは違って“理系エンジニア起業家”って感じがするな。
6. 課題と批判
柴くん:でも順風満帆ってわけじゃないよね?
小雪ちゃん:そう。
- 地政学リスク:アメリカではセキュリティ懸念から政府調達が制限。
- 市場の成熟:ホビー用ドローンの成長が鈍化。
- 軍事転用問題:民生用なのに戦場で使われるケースも出てきた。
柴くん:なるほど…。技術が強すぎると政治や安全保障にまで影響しちゃうんだね。
7. 日本との関わり
柴くん:日本とも関係あるの?
小雪ちゃん:あるよ。
- 日本の映画・テレビ業界では空撮にDJIが標準化してる。
- 農業用ドローンでもヤマハ発動機と市場を分け合う形に。
- さらに日本のドローン関連スタートアップにも刺激を与えた。
柴くん:確かに、最近の映像ってほとんどDJI製で撮ってるよね。
8. まとめ
小雪ちゃん:まとめると――
- 汪滔は“ドローンオタク”から世界的起業家に成長した人物。
- DJIを世界シェア7割の王者に育てた。
- 哲学は「技術こそが言葉」。派手さより製品力を重視。
- 成功の裏で、規制や地政学リスクなど新しい課題にも直面。
柴くん:かっこいいなぁ!「好きなことに夢中で世界を変えた人」って、すごく憧れるよ。
小雪ちゃん:うん。汪滔の歩みは「好きなことを突き詰めれば世界を動かせる」って証明でもあるんだよ。


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