中国から世界へ広がった「お肉帝国」
柴くん:小雪ちゃん、中国の「双匯(Shuanghui)」って聞いたことあるけど、どんな会社なの?
小雪ちゃん:簡単に言うと「中国で一番有名なソーセージとハムの会社」だよ。でも実はそれだけじゃなくて、アメリカ最大の肉メーカー **スミスフィールド(Smithfield Foods)**を持ってる、世界最大級の“お肉グループ”なんだ。親会社の名前は WH Group(万洲国際)。
柴くん:えっ、中国の会社がアメリカの会社まで持ってるの!?
1. 世界一になったきっかけ
小雪ちゃん:そうなんだよ。2013年に、双匯はアメリカのスミスフィールドを**約47億ドル(日本円で5,000億円以上)**で買収したの。これ、当時「中国企業がアメリカ企業を買った史上最大のM&A」ってニュースになったんだ。
柴くん:すご!それで「中国+アメリカ」の二本柱ができたわけか。
2. どのくらい大きいの?
小雪ちゃん:グループ全体(WH Group)の2024年の売上は約4兆円規模。そのうち中国の双匯が3分の1くらいを占めていて、アメリカのスミスフィールドが残りをカバーしてる感じだね。
柴くん:4兆円!?日本の「日本ハム」とか「伊藤ハム」よりもだいぶ大きいね。
小雪ちゃん:そう。日本の食肉大手が数千億円〜1兆円規模だから、WH Groupはケタ違い。世界的にもトップクラスなんだ。
3. 何を作ってるの?
柴くん:具体的にどんな商品があるの?
小雪ちゃん:
- 中国のスーパーでよく見るのは「双匯ハムソーセージ」や「冷蔵肉製品」
- アメリカ側は「Smithfieldベーコン」「Eckrichソーセージ」「Nathan’s Famousホットドッグ」
柴くん:あ、野球場で食べるホットドッグもこの会社なんだ!
4. 強さの理由
柴くん:どうしてそんなに強いの?
小雪ちゃん:
- 中国は世界最大の豚肉市場(肉の消費の6割以上が豚肉)。
- アメリカは世界最大の養豚輸出国。
- この2つを合体させたから、供給と消費をどっちも押さえられるんだ。
柴くん:なるほど!まさに“食のシルクロード”だね。
5. 最近のニュース
柴くん:最近は何か動きあった?
小雪ちゃん:2025年に、アメリカのスミスフィールドがニューヨーク市場に再上場(IPO)したんだよ。評価額は7,000億円以上。親会社WH Groupは資金を確保して、次の投資や環境対策に使おうとしてる。
柴くん:やっぱりグローバル企業だなぁ…。
6. 課題もある
柴くん:でも課題もあるんでしょ?
小雪ちゃん:そう。
- 豚肉価格の上下(「豚サイクル」って呼ばれる)で利益が乱れやすい。
- 米中関係の政治リスク。
- 環境問題や動物福祉への対応。
柴くん:お肉ってみんなが食べるものだから、社会的責任も大きいんだね。
7. まとめ
小雪ちゃん:まとめると――
- 双匯(Shuanghui)は中国最大の肉加工メーカー。
- 親会社WH Groupはアメリカのスミスフィールドを傘下にして世界最大級に。
- 売上は約4兆円、日本企業よりもずっと大きい。
- 強みは「中国の消費+アメリカの供給」の二刀流。
- ただし市況リスクや環境問題への対応が課題。
柴くん:なるほど!「双匯=中国のソーセージ屋さん」だと思ってたけど、実は世界をつなぐ肉の帝国なんだね。
小雪ちゃん:そう。これからは健康志向や環境対応をどう進めるかが、未来のカギになっていくはずだよ。


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