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🌟第185回 彭斌(ポン・ビン)

中国の経営者
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──「テクノロジーで農村を再設計する男」


1. ドローンで田んぼを救ったエンジニア

柴くん:ねぇ小雪ちゃん、前に出てきたXAG(極飛科技)の社長、
彭斌(ポン・ビン)さんってどんな人なの?

小雪ちゃん:うん、一言で言うなら——
**「テクノロジーで田んぼを救ったエンジニア」**だよ。

彼は1980年代生まれの中国人で、
大学時代からずっとロボットとAIに夢中だったんだ。
でもね、最初は農業の世界とは無縁だったの。

柴くん:え、農業の人じゃないんだ?

小雪ちゃん:そう。最初はITエンジニアとしてキャリアをスタートして、
AI画像認識の研究に没頭してたんだよ。
でも、あるきっかけで人生がガラッと変わったの。


2. 原点は「田んぼで見た違和感」

柴くん:どんなきっかけ?

小雪ちゃん:ある年、故郷に帰省したときのこと。
田んぼで年配の農家さんが炎天下で農薬を手でまいてたんだって。
その光景を見た彼は、ショックを受けた。

「ドローンが空を飛んでる時代に、
なぜ農業だけが、まだこんなに重労働なんだ?」

柴くん:あぁ…確かに、ITは進んでるのに、
農業って昔のままな部分が多いもんね。

小雪ちゃん:そう。
それで2012年、仲間3人と一緒に
**「XAG(極飛科技)」**を設立したんだ。
“農業をテクノロジーで変える”っていう信念を胸にね。


3. 「農業をクールに」——若者に夢を返す言葉

柴くん:XAGって“農業をクールに”っていうスローガンあったよね。
小雪ちゃん:うん、それがまさに彭斌さんの言葉だよ。

「让农业变得酷,让年轻人回到田野。」
(Ràng nóng yè biàn de kù, ràng nián qīng rén huí dào tián yě.)
「農業をクールにして、若者を田んぼへ戻したい。」

柴くん:うわぁ、かっこいい…!
“農業を継がせる”じゃなくて、“帰ってきたくなる仕事”にするって感じか。
小雪ちゃん:そう!彼はね、農業を「時代遅れな産業」じゃなく、
テクノロジーとロマンが共存する舞台」にしたいんだって。


4. 創業初期の苦難

柴くん:でも、最初からうまくいったわけじゃないよね?
小雪ちゃん:うん、むしろ地獄(笑)。
最初の数年は、農家さんにドローンを売ろうとしても、
「高い・信用できない・必要ない」って言われ続けたんだって。

それでも彼はあきらめず、
何百もの村を歩いて農民の声を聞き、設計を何度もやり直した。
その執念があって、XAGの機体は“現場で壊れないドローン”って呼ばれるようになったんだ。

柴くん:机上の空論じゃなくて、ほんとに泥の上で作った会社なんだね。
小雪ちゃん:そう。だから社員の合言葉が「地面から考えろ」なんだ。


5. 「空+地+AI」——彼の未来構想

小雪ちゃん:彭斌さんのすごさは、
ドローンを“ゴール”じゃなくて“始まり”だと思ってるところ。

「无人机只是入口,未来的农业是空中、地面、云端的融合。」
(Wú rén jī zhǐ shì rù kǒu, wèi lái de nóng yè shì kōng zhōng, dì miàn, yún duān de róng hé.)
「ドローンは入り口にすぎない。未来の農業は、空と地とクラウドの融合だ。」

柴くん:すごいスケールの話だね。
小雪ちゃん:うん。
実際、XAGは3つの分野を統合してる。

  • 空:Pシリーズ 農薬散布ドローン
  • 地:Rシリーズ 自動走行ロボット
  • AI:X-Farm 農業データ統合プラットフォーム

これを合わせて「スマート農村ネットワーク」って呼んでるんだ。

柴くん:まるで“空飛ぶトラクターとAI農場のチーム戦”だね。


6. 世界に広がる「極飛(XAG)」の翼

小雪ちゃん:今ではXAGは世界60か国以上に進出してて、
2024年の売上は約700億円
農業ドローン市場の**シェア約20%**を占めてる。

柴くん:え、DJIに次いで世界2位!?
小雪ちゃん:そう!でもすごいのは、社員の半分以上が
“農業未経験者”ってこと。
つまり、ITやAIの人が「農業って面白い」って思って入ってきてるんだ。
それも彭斌さんの「農業をクールに」の影響だね。


7. 彼のリーダーシップ

小雪ちゃん:彭斌さんって、机の上で指示出すタイプじゃないんだ。
自分で長靴履いて、田んぼに入ってテストする(笑)。

社員が「暑すぎて無理です」って言っても、
じゃあ俺がやる」って先頭に立つ。

柴くん:うわ、まさに現場リーダーだね。
小雪ちゃん:そう。だから社員は「社長というより先輩」って呼ぶんだって。


8. 名言:自然と共に生きるAI

小雪ちゃん:彼の言葉で一番有名なのがこれ👇

「人类不是自然的主人,而是与自然共生的学生。」
(Rén lèi bú shì zì rán de zhǔ rén, ér shì yǔ zì rán gòng shēng de xué shēng.)
「人間は自然の主人ではなく、共に生きる生徒なんだ。」

柴くん:うわぁ…深いな。
小雪ちゃん:でしょ?
彼は“テクノロジー=自然を支配するもの”じゃなくて、
自然と対話する道具”だと考えてるの。

柴くん:うん、なんか優しいテクノロジーの考え方だね。


9. 世界の評価と存在感

小雪ちゃん:2020年代に入ってから、
XAGは国連食糧農業機関(FAO)のプロジェクトにも参加してて、
アジアやアフリカの食糧問題にも貢献してるよ。

柴くん:世界規模で“農業の先生”になってるんだね。
小雪ちゃん:うん。しかも彼は派手なプレゼンより、
“静かに結果で語るタイプ”だから信頼が厚いんだ。


10. もうひとつの名言

「科技的意义,不是取代农民,而是让他们更自由。」
(Kē jì de yì yì, bú shì qǔ dài nóng mín, ér shì ràng tā men gèng zì yóu.)
「テクノロジーの意味は、農民を置き換えることじゃない。
彼らをもっと自由にすることだ。」

柴くん:うわ、これ好き…。
小雪ちゃん:でしょ?
彼のAIは“人を減らす技術”じゃなくて、“人を解放する技術”なんだよ。


11. まとめ

小雪ちゃん:まとめると——

  • **彭斌(ポン・ビン)**はXAG(極飛科技)の創業者で、AI×ドローンで農業を再構築した人物。
  • スローガンは「農業をクールに(让农业变得酷)」。
  • 売上は約700億円、世界60か国で展開。
  • 理念は「テクノロジーは自然と人をつなぐ架け橋」。
  • 現場に立つ“科学者型リーダー”であり、“農業哲学者”でもある。

柴くん:まるで、現代の“空飛ぶ田んぼの哲人”だね。
小雪ちゃん:うん(笑)
彼が作ったドローンは、**機械じゃなく「希望の翼」**なんだ🌾🚁

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