──中国の“走れるファッション”が世界を駆ける
1. ナイキとアディダスが独占していた時代に
柴くん:中国のスポーツブランドって、昔はあんまり有名じゃなかったよね?
小雪ちゃん:そうだね。
2000年代のころ、中国では「ナイキかアディダスしか勝たん!」みたいな雰囲気だったの。
でもその時に立ち上がったのが——
**Xtep(特歩/シューテップ)**だよ✨
創業者は**丁水波(ディン・シュイボ)**さん。
1999年、福建省(ふっけんしょう)っていう“靴づくりの町”で生まれたブランドなんだ。
「中国人の足に合う、かっこいい靴を作る!」
っていうのが最初の夢だったんだよ👟
2. “スポーツ”と“ファッション”のあいだを狙った
柴くん:ナイキとかアシックスと何が違うの?
小雪ちゃん:Xtepの特徴はね、
ただのスポーツブランドじゃなくて、
**「走れるけど、おしゃれに見える」**を目指してること✨
ナイキが“かっこいいスポーツ”、
アシックスが“本格的な競技”なら、
Xtepは“ストリート×スポーツの中間”。
たとえば、
- 走れるのにカジュアルファッションにも合うスニーカー
- 運動後そのままカフェに行けるジャージスタイル
みたいな“日常に溶け込むスポーティーさ”を提案してるの。
柴くん:なるほど、服好きなZ世代に刺さりそう!
3. 若者カルチャーとコラボして人気に
小雪ちゃん:Xtepは広告の出し方も上手だったんだよ。
最初は歌手や俳優とコラボして、若者の間で話題に。
最近では、ストリートダンサー・YouTuber・ゲーム大会にも協賛して、
「かっこいい中国ブランド」という印象を広げてるの✨
柴くん:スポーツというより、“カルチャー”って感じだね。
小雪ちゃん:そう!
Heytea(喜茶)や奈雪みたいに、
“ブランド=ライフスタイル”って考えてる会社なんだ☕️
4. ランニングシューズの進化
小雪ちゃん:でもデザインだけじゃなくて、技術も本格派だよ。
Xtepは自社で**研究開発センター(R&D)**を持ってて、
ソールの素材や反発力を何年も研究してるんだ。
衝撃吸収フォーム「Dynamic Foam」や、
足への負担を減らす「X-DNAテクノロジー」を独自開発。
2024年には開発費だけで 年間200億円以上(売上の約5%) を投じてるんだ💡
柴くん:すごい、ちゃんと“ナイキの科学”に近づいてるじゃん!
5. 成長スピードがすごい
| 年 | 出来事 | 売上規模 |
|---|---|---|
| 1999年 | 福建省で創業 | — |
| 2008年 | 香港上場 | 約500億円 |
| 2015年 | スポーツ+ストリート戦略に転換 | 約1,000億円 |
| 2024年 | 売上 約6,000億円突破 | 約6,000億円 |
小雪ちゃん:創業から25年で、6,000億円まで成長!
同じ中国の**Li-Ning(李寧)やAnta(安踏)**と並ぶ“スポーツ三強”に入ってるんだよ💪
6. 世界での立ち位置を見てみよう
| ブランド | 国 | 創業年 | 売上(2024年) | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Nike | アメリカ | 1964 | 約6兆円 | 世界No.1。機能+デザイン+憧れ |
| Adidas | ドイツ | 1949 | 約3兆5,000億円 | 世界No.2。クラシック路線も強い |
| Asics(アシックス) | 日本 | 1949 | 約5,000億円 | 科学的なランニング技術で有名 |
| Anta(安踏) | 中国 | 1991 | 約1兆4,000億円 | FILAなどを傘下に持つ巨大企業 |
| Li-Ning(李寧) | 中国 | 1990 | 約8,000億円 | 中国文化×ファッションで人気 |
| Xtep(特歩) | 中国 | 1999 | 約6,000億円 | ストリート志向・若者カルチャー |
柴くん:へぇ、日本のアシックスと同じくらいの売上規模なんだ!
小雪ちゃん:そう!
つまり、「アシックス×ナイキ×ユニクロ」の中間みたいな存在なんだ✨
7. 海外戦略がすごい:ブランド買収の嵐
小雪ちゃん:Xtepは海外にも攻めてるよ🌏
・アメリカの老舗ブランド「K-Swiss」を買収
・ランニング専門ブランド「Saucony(サッカニー)」を傘下に
・イタリアのシューズブランド「Palladium」も買収
柴くん:えっ!?サッカニーって世界大会でも履かれてるやつだよね?
小雪ちゃん:そう!
Xtepは「世界ブランドを買って、自分たち流に再生する」スタイルを取ってるんだ。
日本企業でいうと、ユニクロ(ファーストリテイリング)が
海外ブランドを吸収してグローバル展開してる感じに近いね👕
8. SNS戦略と若者マーケティング
小雪ちゃん:XtepはSNSも超うまい📱
「#MyXtep」っていうタグで、
ユーザーが自分のスニーカーコーデを投稿する文化を作ってるの。
インフルエンサーやストリート系YouTuberとのコラボも多くて、
ブランドというより「ファッションの遊び場」になってるんだよ✨
柴くん:広告っぽくないから、Z世代も抵抗なく好きになれそう。
9. 創業者・丁水波の哲学
「年轻人要穿出自信,不只是品牌。」
(Nián qīng rén yào chuān chū zì xìn, bú zhǐ shì pǐn pái.)
「若者はブランドを着るんじゃない。“自信”を着るんだ。」
小雪ちゃん:彼の考えってシンプルだけど深いよね。
ナイキが「Just Do It」なら、Xtepは「Just Be Yourself」って感じ✨
柴くん:うん、めっちゃ良い言葉…。
10. 文化の違い:日本 vs 中国 vs アメリカ
小雪ちゃん:おもしろいのは、国によってスポーツブランドの考え方が違うこと。
| 国 | ブランドの性格 | 消費者の価値観 |
|---|---|---|
| 🇺🇸 アメリカ | Nike・Under Armour | 「勝利・自己実現」重視。ヒーロー文化。 |
| 🇯🇵 日本 | Asics・Mizuno | 「品質・努力」重視。職人気質。 |
| 🇨🇳 中国 | Anta・Li-Ning・Xtep | 「自己表現・トレンド」重視。SNS世代。 |
柴くん:あー、たしかに。
中国の若者って“かっこいい国産ブランド”を誇りにしてるよね。
小雪ちゃん:そう!
昔は「ナイキを履くのが憧れ」だったけど、
今は「中国ブランドを世界で見せたい」に変わってきてるんだ🔥
11. これからのXtep
小雪ちゃん:今、Xtepはランニング特化モデルを海外で展開中で、
アジアや中東、ヨーロッパでも評価が上がってるの。
さらに、「環境に優しい素材」や「再生繊維スニーカー」の開発にも力を入れてるよ🌱
柴くん:世界でも勝負できる準備ができてるんだね!
12. まとめ
小雪ちゃん:まとめると——
- **Xtep(特歩)**は1999年創業、中国のZ世代に人気のスポーツブランド。
- 「スポーツ×ストリート」で“走れるファッション”を確立。
- 売上は約6,000億円で、アシックスと同レベル。
- Anta・Li-Ningと並ぶ中国スポーツ三強の一角。
- 海外ブランド(K-Swiss・Sauconyなど)を買収し、世界展開中。
- 哲学:「ブランドではなく、自信を身にまとう」。
柴くん:うーん、めっちゃカッコいいな。
ナイキやアディダスに憧れるんじゃなくて、
「自分の国のブランドを誇れる」ってすごい。
小雪ちゃん:うん✨
Xtepは“運動靴”じゃなくて、“生き方”をデザインしてるブランドなんだよ👟

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