──“ドローン農業の第二の翼”、DJIに挑むスマート農業の雄
1. DJIのライバルがいた!?
柴くん:この前、DJIの農業ドローンがすごいって話してたけど、
中国って他にもそういう会社あるの?
小雪ちゃん:あるよ! それが今回の主役、XAG(極飛科技 / エックスエー・ジー)。
2012年に中国・広州で生まれた、農業ドローン専門メーカーなんだ。
柴くん:へぇ、DJIが“空撮から農業に入った”のに対して、
XAGは最初から“農業一本”なんだね!
2. 名前の意味は「Extreme Agriculture」
小雪ちゃん:ちなみに「XAG」って、“Extreme Agriculture(究極の農業)”の略。
最初は若手エンジニア3人組が「農業をテクノロジーで変えたい!」って立ち上げたんだ。
柴くん:なんかスタートアップっぽくていいなぁ。
小雪ちゃん:そうそう。彼らの最初の開発テーマは、
“農薬散布の自動化”と“AIでの作物診断”。
つまり最初から「空×AI×農業」を狙ってた。
3. どんなドローンを作ってるの?
小雪ちゃん:XAGの主力機は「Pシリーズ」っていう農業ドローン。
たとえばP100 Proは——
🚁 最大40kgの液体を積んで散布できる
🌾 AIが作物の高さをリアルタイムで測定
📱 スマホアプリで1人でも操作できる
柴くん:えっ、それDJIのTシリーズにすごく似てるね。
小雪ちゃん:うん、スペックはほぼ互角。
でもXAGは**“チームで使うことを前提”**に設計されてるのが特徴だよ。
柴くん:どういうこと?
小雪ちゃん:1人で複数台を同時に操作できるシステムとか、
データをクラウドで共有できる機能が標準なんだ。
つまり、“地域全体のスマート農業”を目指してるんだね。
4. 売上とシェアをざっくり見ると…
| 会社名 | 主力分野 | 年間売上(2024年) | 世界シェア(農業ドローン) |
|---|---|---|---|
| DJI Agriculture | 農薬散布・AI農業 | 約2,000億円 | 約60% |
| XAG(極飛科技) | 農業AI・スマート農業 | 約700億円 | 約20% |
| Yamaha Motor | 産業用無人ヘリ | 約1,000億円(農機部門) | 約10% |
| John Deere | AIトラクター・農機 | 約6兆円(全体) | — |
柴くん:XAGもけっこう大きい!
小雪ちゃん:そう。DJIには届かないけど、
“農業だけでここまで伸びた会社”って意味ではかなりすごいんだ。
5. XAGの強み① 「地上ロボット」
柴くん:空だけじゃなくて地上でも?
小雪ちゃん:うん! XAGは**「空+地+データ」**を全部やってる。
代表的なのが、地上走行型の「R150 農業ロボット」。
これがすごい。
畑の上を自動で走りながら、
- 肥料散布
- 種まき
- 除草
を全部やってくれる!
柴くん:まるでトラクターの進化版だね。
小雪ちゃん:そう、しかもスマホで遠隔操作できる。
つまり、農家がスマホで“畑を動かす”時代になってるんだ。
6. XAGの強み② 「AIで畑を読む」
小雪ちゃん:あとね、XAGはAI技術の使い方が上手い。
作物の写真を撮ると、AIが
「ここは虫が多い」「肥料が多すぎ」って自動診断してくれる。
柴くん:それってドローンのお医者さんじゃん!
小雪ちゃん:まさに! だからXAGは自分たちのことを
「AIアグリカルチャー企業」って呼んでるんだ。
7. 世界展開も広がってる
小雪ちゃん:今は中国だけじゃなくて、
ベトナム、インド、タイ、ブラジル、ウクライナなど60か国以上に展開中。
特に東南アジアでは、XAGのドローンを政府主導の農業プロジェクトで採用してる国も多いよ。
柴くん:つまり、“発展途上国の食糧生産を支える”役割もあるんだね。
小雪ちゃん:そう!
XAGは単に機械を売るんじゃなくて、
“農業インフラ”を作る会社に進化してるんだ。
8. DJIとの違いをまとめると…
| 比較項目 | DJI Agriculture | XAG(極飛科技) |
|---|---|---|
| 企業スタイル | 世界No.1のドローンメーカーの農業部門 | 農業専門スタートアップ |
| 強み | 精度・安定性・ブランド力 | 現場密着・AI・チーム運用 |
| ターゲット | プロ農家・自治体 | 地域共同体・中小農家 |
| ビジョン | 空から守る地球 | 地上も含めて変える農業社会 |
柴くん:なるほど、DJIが“空の王者”なら、
XAGは“地上も視野に入れた挑戦者”って感じか!
小雪ちゃん:うん!
XAGは「テクノロジーで農村を再設計する会社」なんだよ。
9. 面白い話:創業者の原点
柴くん:そういえば、XAGを作った人ってどんな人?
小雪ちゃん:創業者は**彭斌(ポン・ビン / Peng Bin)**さん。
大学卒業後、アリババの子会社でAI研究をしてたけど、
「田舎の人が苦労してるのを見て、テクノロジーで助けたい」って思って起業したんだ。
柴くん:うわ、かっこいい動機!
小雪ちゃん:でしょ? だからXAGの社員の多くは、
“農業をクールにする”ってスローガンを掲げて働いてるんだ✨
10. まとめ
小雪ちゃん:まとめると——
- **XAG(極飛科技)**は、中国・広州の農業ドローン企業(2012年創業)。
- 売上は約700億円、世界シェア約20%。
- 「Pシリーズ」ドローンと「Rシリーズ」地上ロボットを展開。
- AI・IoTを使った“農業のDX(デジタル化)”が強み。
- 目標は「人がいなくても成り立つ持続可能な農業」。
柴くん:うーん、DJIといいXAGといい、中国の農業テックってレベル高すぎる…。
小雪ちゃん:ほんとにね。
XAGは“農家のスマホに未来を届ける会社”なんだ📱🌾


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