──「車にAIの“脳”を与えた、中国のチップ革命児」
1. え、車にAIの“脳”?
柴くん:ねぇ小雪ちゃん、「Horizon Robotics」って聞いたことあるけど、
どんな会社なの?ロボット会社?
小雪ちゃん:いい質問😊
名前に“ロボティクス”ってあるけど、実は車のAIチップ会社なんだ。
つまり、「車の頭脳を作ってる会社」。
柴くん:へぇ〜エンジンじゃなくて“頭脳”か!
小雪ちゃん:そう。電気自動車(EV)や自動運転車の時代に必要なのは、
「どれだけ車が状況を理解できるか」。
その“考える力”を作ってるのがHorizon Roboticsなんだよ。
2. 創業者・余凱(Yu Kai)ってどんな人?
小雪ちゃん:創業者は余凱(ユィ・カイ/Yu Kai)さん。
北京大学でコンピュータサイエンスを学び、
アメリカのモトローラ研究所や百度(Baidu)AI部門の主任科学者を務めてた人なんだ。
柴くん:え、百度の天才エンジニアだったの!?
小雪ちゃん:そう!
でも彼は2015年に百度を辞めて、
「AIを人に使わせるんじゃなく、AIを人に寄り添わせたい」
という思いでHorizon Roboticsを立ち上げたの。
「AI不是上帝,而是驾驶员的伙伴。」
(AI bú shì shàng dì, ér shì jià shǐ yuán de huǒ bàn.)
「AIは神様じゃない。運転手のパートナーだ。」
柴くん:おお〜かっこいい…!
なんか「車と会話できる未来」を目指してる感じだね。
3. チップの名前がカッコいい
小雪ちゃん:Horizon Roboticsが作ってるAIチップは「Journey(征程)シリーズ」っていうんだ。
- Journey 2(2018)→ ドライブレコーダーやADAS(運転支援)用
- Journey 3(2020)→ カメラ映像をAIで解析
- Journey 5(2022)→ 高度自動運転に対応(60TOPS以上の処理能力)
柴くん:うわ、名前もロマンある(笑)
小雪ちゃん:でしょ?
しかもこのチップ、中国国内で独自開発100%。
アメリカのNVIDIAやQualcommに頼らず、自分たちで作り上げたの。
4. 「国産AIチップの希望」と呼ばれる理由
柴くん:中国ってチップ(半導体)分野で苦戦してるって聞くけど?
小雪ちゃん:その通り。
だからHorizonは、中国政府からも「国産AI半導体の希望」って言われてる。
2024年の時点で、中国国内の自動運転車の約6割にHorizonのチップが使われてるんだよ。
つまり、中国で走るAI車のほとんどが、Horizonの頭脳で動いてるの。
5. どんな車に使われてるの?
小雪ちゃん:Horizonは、
- BYD(比亜迪)
- SAIC Motor(上汽)
- Li Auto(理想汽車)
- NIO(蔚来)
など、中国の主要EVメーカーほとんどと提携してる。
さらに2023年には、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)とも合弁会社を設立!
「中国×ドイツのAIカー連合」って呼ばれてるんだ。
柴くん:え、VWと!?それもう世界レベルやん。
小雪ちゃん:そう。だからHorizonは今、“中国発・世界型AIチップ企業”になってる。
6. SenseTimeやMegviiとどう違うの?
| 企業名 | 主な分野 | 特徴 |
|---|---|---|
| SenseTime(商湯) | 映像・教育・医療AI | 社会全体のAI化を目指す |
| Megvii(旷視) | 顔認識・物流AI | 現場に使えるAI |
| Cloudwalk(雲従) | 金融・公共インフラ | 社会を支えるAI |
| Horizon Robotics(地平線) | 車載AIチップ・自動運転 | 「AIの頭脳を作る会社」 |
柴くん:なるほど。
今までの3社が“AIを使う側”なら、Horizonは“AIそのものを作る側”なんだね。
小雪ちゃん:その通り✨
7. 「中国版NVIDIA」と呼ばれる存在へ
小雪ちゃん:Horizonは、アメリカの**NVIDIA(エヌビディア)**を意識してるとも言われてるよ。
GPU(画像処理チップ)で世界を制したNVIDIAのように、
「AIチップで世界を走らせる」ことを目標にしてるんだ。
でも余凱さんは、こうも言ってる👇
「技术的终点,不是速度,而是共鸣。」
(Jì shù de zhōng diǎn, bú shì sù dù, ér shì gòng míng.)
「技術のゴールは、速さじゃなく“共感”だ。」
柴くん:…共感? チップの人がそんなこと言うんだ。
小雪ちゃん:うん。
彼はAIを“冷たい計算機”じゃなく、
**「人の気持ちを理解する相棒」**にしたいんだって。
8. 日本との関係
小雪ちゃん:ちなみに日本とも関係があって、
トヨタやホンダも中国での自動運転開発においてHorizonの技術を一部参考にしてる。
あと、HorizonのAI設計思想は**「安全第一」「ドライバー主導」**で、
日本の車文化と相性がいいんだ。
柴くん:なるほどね。
“勝負”ってより“協力”の関係なんだ。
9. まとめ
小雪ちゃん:まとめると——
- **Horizon Robotics(地平線機器人)**は2015年設立。
- 創業者は元Baiduの科学者、余凱(Yu Kai)。
- 事業の中心は「自動運転AIチップ(Journeyシリーズ)」。
- 中国EVの約6割に採用、VWとも提携。
- モットーは「AIは運転手のパートナー」。
柴くん:なんか、AIが“助手席に座る未来”って感じだね。
小雪ちゃん:そうそう!
Horizonは、「車が考える時代」を現実にしてるんだ🚗✨


コメント