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🏢第188回 Horizon Robotics(地平線機器人)

中国の会社
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──「車にAIの“脳”を与えた、中国のチップ革命児」


1. え、車にAIの“脳”?

柴くん:ねぇ小雪ちゃん、「Horizon Robotics」って聞いたことあるけど、
どんな会社なの?ロボット会社?

小雪ちゃん:いい質問😊
名前に“ロボティクス”ってあるけど、実は車のAIチップ会社なんだ。
つまり、「車の頭脳を作ってる会社」。

柴くん:へぇ〜エンジンじゃなくて“頭脳”か!
小雪ちゃん:そう。電気自動車(EV)や自動運転車の時代に必要なのは、
どれだけ車が状況を理解できるか」。
その“考える力”を作ってるのがHorizon Roboticsなんだよ。


2. 創業者・余凱(Yu Kai)ってどんな人?

小雪ちゃん:創業者は余凱(ユィ・カイ/Yu Kai)さん。
北京大学でコンピュータサイエンスを学び、
アメリカのモトローラ研究所や百度(Baidu)AI部門の主任科学者
を務めてた人なんだ。

柴くん:え、百度の天才エンジニアだったの!?
小雪ちゃん:そう!
でも彼は2015年に百度を辞めて、
「AIを人に使わせるんじゃなく、AIを人に寄り添わせたい
という思いでHorizon Roboticsを立ち上げたの。

「AI不是上帝,而是驾驶员的伙伴。」
(AI bú shì shàng dì, ér shì jià shǐ yuán de huǒ bàn.)
「AIは神様じゃない。運転手のパートナーだ。」

柴くん:おお〜かっこいい…!
なんか「車と会話できる未来」を目指してる感じだね。


3. チップの名前がカッコいい

小雪ちゃん:Horizon Roboticsが作ってるAIチップは「Journey(征程)シリーズ」っていうんだ。

  • Journey 2(2018)→ ドライブレコーダーやADAS(運転支援)用
  • Journey 3(2020)→ カメラ映像をAIで解析
  • Journey 5(2022)→ 高度自動運転に対応(60TOPS以上の処理能力)

柴くん:うわ、名前もロマンある(笑)
小雪ちゃん:でしょ?
しかもこのチップ、中国国内で独自開発100%
アメリカのNVIDIAやQualcommに頼らず、自分たちで作り上げたの。


4. 「国産AIチップの希望」と呼ばれる理由

柴くん:中国ってチップ(半導体)分野で苦戦してるって聞くけど?
小雪ちゃん:その通り。
だからHorizonは、中国政府からも「国産AI半導体の希望」って言われてる。

2024年の時点で、中国国内の自動運転車の約6割にHorizonのチップが使われてるんだよ。
つまり、中国で走るAI車のほとんどが、Horizonの頭脳で動いてるの。


5. どんな車に使われてるの?

小雪ちゃん:Horizonは、

  • BYD(比亜迪)
  • SAIC Motor(上汽)
  • Li Auto(理想汽車)
  • NIO(蔚来)
    など、中国の主要EVメーカーほとんどと提携してる。

さらに2023年には、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)とも合弁会社を設立
「中国×ドイツのAIカー連合」って呼ばれてるんだ。

柴くん:え、VWと!?それもう世界レベルやん。
小雪ちゃん:そう。だからHorizonは今、“中国発・世界型AIチップ企業”になってる。


6. SenseTimeやMegviiとどう違うの?

企業名主な分野特徴
SenseTime(商湯)映像・教育・医療AI社会全体のAI化を目指す
Megvii(旷視)顔認識・物流AI現場に使えるAI
Cloudwalk(雲従)金融・公共インフラ社会を支えるAI
Horizon Robotics(地平線)車載AIチップ・自動運転「AIの頭脳を作る会社」

柴くん:なるほど。
今までの3社が“AIを使う側”なら、Horizonは“AIそのものを作る側”なんだね。
小雪ちゃん:その通り✨


7. 「中国版NVIDIA」と呼ばれる存在へ

小雪ちゃん:Horizonは、アメリカの**NVIDIA(エヌビディア)**を意識してるとも言われてるよ。
GPU(画像処理チップ)で世界を制したNVIDIAのように、
「AIチップで世界を走らせる」ことを目標にしてるんだ。

でも余凱さんは、こうも言ってる👇

「技术的终点,不是速度,而是共鸣。」
(Jì shù de zhōng diǎn, bú shì sù dù, ér shì gòng míng.)
「技術のゴールは、速さじゃなく“共感”だ。」

柴くん:…共感? チップの人がそんなこと言うんだ。
小雪ちゃん:うん。
彼はAIを“冷たい計算機”じゃなく、
**「人の気持ちを理解する相棒」**にしたいんだって。


8. 日本との関係

小雪ちゃん:ちなみに日本とも関係があって、
トヨタやホンダも中国での自動運転開発においてHorizonの技術を一部参考にしてる。
あと、HorizonのAI設計思想は**「安全第一」「ドライバー主導」**で、
日本の車文化と相性がいいんだ。

柴くん:なるほどね。
“勝負”ってより“協力”の関係なんだ。


9. まとめ

小雪ちゃん:まとめると——

  • **Horizon Robotics(地平線機器人)**は2015年設立。
  • 創業者は元Baiduの科学者、余凱(Yu Kai)
  • 事業の中心は「自動運転AIチップ(Journeyシリーズ)」。
  • 中国EVの約6割に採用、VWとも提携。
  • モットーは「AIは運転手のパートナー」。

柴くん:なんか、AIが“助手席に座る未来”って感じだね。
小雪ちゃん:そうそう!
Horizonは、「車が考える時代」を現実にしてるんだ🚗✨

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