🔥第１９７回　Anta vs Nike

──世界トップを狙う、中国ブランドの野望

柴くん：ナイキって、スポーツブランドの王様って感じするよね？
小雪ちゃん：そうだね。
でも今、その“王国”を追いかけるブランドが現れてるんだ。

それが中国の Anta（安踏）。
2024年の売上はなんと 約1兆4,000億円。
ナイキの約 6兆円にはまだ届かないけど、
世界ランキングで トップ3圏内に食い込んでるんだよ👀

柴くん：えっ！？もうそんなに！？
小雪ちゃん：うん。
ナイキ、アディダス、そしてAnta。
今はこの3社が“世界スポーツブランド三強”なんだ✨

小雪ちゃん：Antaは1991年、中国・福建省で誕生したスポーツブランド。
創業者は**丁世忠（ディン・シージョン）**さん。

最初は“地元の靴工場”から始まったんだけど、
「ナイキに負けない中国ブランドを作る！」という情熱で、
地方の会社から世界企業にまで成長したの。

「不做中国的耐克，要做世界的安踏。」
(Bù zuò Zhōngguó de Nài kè, yào zuò shì jiè de Ān tà.)
「“中国のナイキ”ではなく、“世界のAnta”になる。」

柴くん：うわ〜、カッコいい…。
最初から“ナイキのコピー”じゃなくて、“独自の道”を行こうとしたんだね。

小雪ちゃん：一方でナイキの魅力は、“夢を売るブランド”ってところ✨
「Just Do It（やってみろ）」のメッセージに象徴されるように、
個人の挑戦や努力を応援する姿勢が強いの。

有名アスリートとのコラボも多くて、
マイケル・ジョーダン、セリーナ・ウィリアムズ、クリスティアーノ・ロナウド…
まさに“ヒーロー文化の象徴”なんだ。

柴くん：うん、あのロゴ見るだけで「強くなれそう」って思う（笑）
小雪ちゃん：それがナイキのマーケティング力だよ👑

小雪ちゃん：Antaはナイキと真逆の価値観で勝負してるよ。
ナイキが「個の輝き」を売るなら、
Antaは「チームと努力の力」を売るブランドなんだ。

**「団結は勝利を生む」**というスローガンを掲げて、
中国のオリンピック代表チームの公式スポンサーも務めてる🇨🇳

柴くん：ナイキが“ヒーロー”、Antaは“チーム”って感じか。
小雪ちゃん：そう✨
だからAntaの広告には、選手が一人で映るより、
仲間と戦う姿が多いんだ。

小雪ちゃん：Antaの強さは、ただのスポーツブランドじゃないってこと。
実はAntaは“ブランドの帝国”を作ってるの👑

柴くん：帝国？

小雪ちゃん：うん！たとえば👇

**FILA（フィラ）**を買収して中国展開を成功
Descente（デサント）中国法人を共同運営
**Amer Sports（アメア・スポーツ）**を買収
→ その中には「Arc’teryx」「Wilson」「Salomon」など、
世界中の超一流ブランドが含まれてる！

つまりAntaは“自分のブランド”だけじゃなく、
ナイキのライバルを傘下に入れてるんだ💼

柴くん：それヤバくない！？
小雪ちゃん：でしょ（笑）
「ナイキを倒す」のではなく、「ナイキの隣に立つ帝国を築く」戦略なんだ🌏

柴くん：なんか、アメリカらしさと中国らしさがそのまま出てるね。
小雪ちゃん：うん✨
ナイキは“自由の象徴”、Antaは“努力の象徴”。
どっちも正しいけど、伝え方が全然違うの。

小雪ちゃん：Antaはデザインだけじゃなく、
テクノロジーにも本気💪

独自のクッション素材「Nitroedge Foam」や、
気候対応の「A-Fabric」などを開発。
研究開発費（R&D）は毎年 600億円以上。

しかも、世界中のランナー・テニス選手・スキー選手から
フィードバックをもらって改良してるんだ。

柴くん：それもう完全に“グローバル企業”だね。

小雪ちゃん：ナイキのCMは「君ならできる」ってメッセージ。
AntaのCMは「みんなでやろう」ってメッセージ。

アメリカでは「個の自由」、
中国では「集団の力」。
どっちも文化の違いがそのままブランド哲学に現れてるの👀

柴くん：なるほど〜、単なる企業の戦いじゃなくて“文化の戦い”なんだね。
小雪ちゃん：そう✨
だからこの戦いは、売上以上に深い意味があるんだ。