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🏢第93回 BGI Genomics(華大基因)

中国の会社
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── DNAの地図を広げる、中国の“命の研究所”


1.BGIって何の会社?

柴くん:小雪ちゃん、「BGI Genomics(ビー・ジー・アイ・ジェノミクス)」って、名前からして理系感すごいけど、どんな会社?

小雪ちゃん:簡単に言うと、「DNAを読み取る会社」だよ。人間とか動物とか植物の**遺伝子情報(ゲノム)**を調べて、医療や科学、農業に生かすの。

柴くん:え、じゃあ、DNAを調べて病気を見つけたりするの?

小雪ちゃん:そうそう。たとえば「この人は将来どんな病気にかかりやすいか」とか、「赤ちゃんが健康に生まれるかどうか」とかも調べられるんだよ。

柴くん:未来の体のことまでわかるって、ちょっとこわいけど…すごいね。

小雪ちゃん:うん。BGIはそんなすごい遺伝子解析のプロ集団なの。


2.ヒトゲノム計画から始まった

柴くん:でもなんで中国にそんな会社ができたの?

小雪ちゃん:きっかけは1999年。中国が「ヒトゲノム計画」に参加することになったの。

柴くん:ヒトゲノムって、人間のDNAを全部読むやつだよね?

小雪ちゃん:そう。人間の体の設計図を解読する、史上最大の科学プロジェクト。アメリカ、イギリス、日本、フランス、ドイツなどが参加してて、そこに中国代表として加わったのがBGI。

柴くん:なんかオリンピックの科学版みたい。

小雪ちゃん:その通り。中国は当時、まだ科学技術がそこまで強くなかったんだけど、「このプロジェクトには絶対入らなきゃ」っていう強い想いで、BGIを立ち上げたの。

柴くん:へぇー、中国もこの分野に全力だったんだ。

小雪ちゃん:その時の努力が今につながって、今じゃ世界最大級のゲノム解析機関になったんだよ。


3.会社の規模はどれくらい?

小雪ちゃん:BGIは中国・深圳に本社があるけど、世界100カ国以上と取引してるんだ。

柴くん:もう中国の中だけの会社じゃないんだね。

小雪ちゃん:うん。研究拠点はアメリカ、ヨーロッパ、アジア各地にあって、グローバルに活躍してるバイオ企業って感じ。

柴くん:売上とかってどれくらいあるの?

小雪ちゃん:2024年の売上は約1,200億円。バイオ系としてはかなり大きいよ。

柴くん:それって…高校生にはちょっと想像つかないけど、すごいってことだけは伝わった!


4.どんなことに使われてるの?

小雪ちゃん:遺伝子解析って、こんな場面で使われてるんだよ👇

分野内容具体例
医療遺伝的リスクの分析・がんの早期発見遺伝性の病気やがんの発見
出生前診断胎児の健康状態のチェックダウン症などの染色体異常の検出
感染症対策ウイルスの種類や変異の特定コロナウイルスのゲノム解析
環境保全絶滅危惧種のDNA調査ジャイアントパンダの遺伝子保護
農業・食料作物の品種改良や土壌の微生物解析お米やトマトの育成プログラム

柴くん:思った以上に、いろんなことに使われてるんだな…。

小雪ちゃん:しかも最近では、「個人の遺伝子データを使った健康管理」っていう新しい分野も広がってるよ。

柴くん:たとえば、「この人は牛乳が苦手」とか「筋トレが向いてる」とかわかるやつ?

小雪ちゃん:そうそう。BGIもそういう検査サービスを提供してるの。自分の体の取り扱い説明書が手に入る感じ!


5.コロナ禍での活躍

小雪ちゃん:BGIが世界的に一気に注目されたのは、2020年のコロナのとき。

柴くん:あの大混乱の時期?

小雪ちゃん:うん。感染が広がる中、BGIはたった**5日で「火眼(かがん)ラボ」**っていう大型PCR検査所を完成させたの。

柴くん:早すぎる…!

小雪ちゃん:このラボは、1日に最大1万人以上の検査ができるってことで、中国各地や海外でも展開されたんだ。

柴くん:じゃあ、あの頃に世界の医療を支えてた一部がBGIだったってことか…。

小雪ちゃん:そう。分析スピードと設備の規模が段違いだったから、他の国もビックリしてた。


6.遺伝子×AIで未来を変える?

柴くん:でも、DNAって読むだけじゃ意味ないよね?どう使うかも大事じゃない?

小雪ちゃん:お、それ大事な視点!最近のBGIはAIを使ってゲノムを自動で解析する技術を進めてるの。

柴くん:AIと遺伝子のタッグ!なんかSFっぽい。

小雪ちゃん:実際、AIで病気のリスクを予測したり、病気になった人の治療法を最適化したり、“個別医療”の時代がもう始まってるの。

柴くん:体に合わせたオーダーメイド医療ってことか。

小雪ちゃん:そう。これからの医療は「一人ひとりの遺伝子に合わせる」時代なんだよ。


7.でもアメリカとの関係が悪化中…

柴くん:さっきは国際的って話だったけど、アメリカとは仲良しなの?

小雪ちゃん:それがちょっと問題になってて…。アメリカは「中国政府がBGIのデータを悪用するかも」って警戒してるの。

柴くん:遺伝子情報って、超個人情報だもんね。

小雪ちゃん:うん。だからアメリカ軍はBGIとの取引を禁止したし、一部の機器やソフトも制限されてる。

柴くん:科学って、政治と切り離せないとこもあるんだね…。

小雪ちゃん:特に「命」に関わる分野はね。国際ルール作りもこれからの大きな課題だよ。


8.日本ともつながってる?

柴くん:ところで日本との関係ってあるの?

小雪ちゃん:もちろん。BGIは日本企業と共同研究したり、日本の病院や大学にも検査機器を提供してるよ。

柴くん:じゃあ、実はぼくたちの近くにもBGIの技術が使われてるかも?

小雪ちゃん:うん、間接的に関わってる可能性は高いね。特にがん研究とか出生前診断の分野で。


まとめ|DNAで未来をひらく“遺伝子の探偵団”

柴くん:BGIって、ただのバイオ企業じゃなくて、人類の未来にめっちゃ関わってる存在なんだね。

小雪ちゃん:そう。病気、食料、自然保護、命の成り立ち…全部に関係してる。

柴くん:でも、すごい力を持ってるからこそ、ちゃんと使い方を考えないといけないね。

小雪ちゃん:うん。科学は“役立て方”が命。そのバランスを取るのが、これからの人類の宿題かも。

柴くん:難しいけど…ワクワクもするね!

小雪ちゃん:そう。BGIは、命の秘密に一番近づいてるチームかもしれないよ。

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