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🏢第139回 比亜迪半導体(BYD Semiconductor)

中国の会社
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― 中国EV王者の“頭脳”を担う半導体企業 ―


1|どんな会社?

柴くん:
「小雪ちゃん、“比亜迪半導体(BYD Semiconductor)”って、BYDの仲間なの?」

小雪ちゃん:
「そうだよ。比亜迪半導体は、EVメーカーとして有名なBYD(比亜迪)の子会社なんだ。設立は2004年で、もともとは“車載半導体”を自社でつくるためにスタートしたんだよ。」

柴くん:
「つまりBYDの電気自動車を動かす“頭脳”や“心臓”を作ってるのが、この会社ってこと?」

小雪ちゃん:
「そう!まさに“縁の下の力持ち”なんだ。」


2|なぜ半導体を自前で?

小雪ちゃん:
「自動車って今や“走るスマホ”って言われるくらい、半導体が大量に必要なんだ。特にEVやハイブリッド車では、パワー半導体って呼ばれる部品が重要になる。電気をコントロールして、モーターを効率的に動かす役割を担ってるんだよ。」

柴くん:
「へぇ!半導体ってスマホやパソコンだけじゃなくて、車にも必須なんだね。」

小雪ちゃん:
「そうなんだ。しかも世界的に半導体不足が起きたとき、多くの自動車メーカーが工場を止める事態になったよね。でもBYDは“自前の半導体工場”を持っていたから、生産への影響を最小限にできたんだ。」

柴くん:
「なるほど!だからBYDの車は安定して出荷できたんだね。」


3|どんな半導体を作ってるの?

小雪ちゃん:
「比亜迪半導体が得意なのは大きく4分野だよ。」

  1. パワー半導体:EVのモーター制御に不可欠(IGBTやSiC)
  2. スマートセンサー:自動運転や安全装置に使う
  3. LEDチップ:車載用ライト、ディスプレイなど
  4. MCU(マイクロコントローラ):車内電子機器を制御

小雪ちゃん:
「特に有名なのは**IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)**っていうパワー半導体。これは“EVの心臓”って呼ばれていて、BYDが自社で開発・量産できる数少ない企業のひとつなんだよ。」

柴くん:
「EVのエンジンがモーターなら、IGBTはその“コックピット”を支える司令塔みたいなものだね!」


4|売上と規模感

小雪ちゃん:
「比亜迪半導体の売上は2024年で約1,300億円。まだ親会社のBYD(約12兆円規模)と比べると小さいけど、成長率は高いんだ。将来は独立上場も検討されていて、中国の“車載半導体王者”を目指してるよ。」

柴くん:
「親会社のBYDがすでに世界トップEVメーカーだから、その成長と一緒に伸びるってことだね。」


5|競合との比較

柴くん:
「他の半導体メーカーと比べると、比亜迪半導体はどれくらい強いの?」

小雪ちゃん:
「世界的に見ると、車載半導体の巨人は日本のルネサスエレクトロニクス、ドイツのインフィニオン、オランダのNXPなど。売上規模ではまだ遠く及ばない。でも中国国内に限れば、国産パワー半導体のリーダーって位置づけなんだ。」

柴くん:
「つまり、世界では挑戦者だけど、中国市場ではトップランナーってことか!」

小雪ちゃん:
「そう。特に中国政府が“半導体の国産化”を推進してるから、比亜迪半導体は国家戦略の中でも重要な存在になってるよ。」


6|EV時代に強みを発揮

小雪ちゃん:
「EVシフトが進むほど、半導体の需要は増える。ガソリン車は半導体が200〜300個くらいなのに、EVは1,000個以上必要なんだ。」

柴くん:
「えっ!3倍以上!?」

小雪ちゃん:
「そう。だから“半導体を制するものがEVを制する”って言われてるんだよ。比亜迪半導体はその中でもIGBTやSiCといったパワー半導体を内製化してるから、BYDにとっては最大の武器なんだ。」


7|日本との関係

小雪ちゃん:
「比亜迪半導体は日本企業ともつながりがあるよ。例えば、トヨタがBYDと合弁でEVを開発する中で、車載半導体の供給にも注目が集まってる。あと、SiC(炭化ケイ素)の分野では、日本のロームや三菱電機が世界的に強いから、競争と協力の両方がある関係だね。」

柴くん:
「なるほど、日本のメーカーもライバルでもあり、パートナーでもあるんだ。」


8|課題と展望

小雪ちゃん:
「課題はやっぱり“技術の壁”だね。インフィニオンやルネサスは数十年の経験と世界シェアを持っているから、追いつくのは簡単じゃない。でも中国国内需要は巨大だから、“国内シェアを押さえるだけでも大企業”になれる。」

柴くん:
「つまり世界一になるのはまだ先だけど、中国市場で確実に成長できるってことだね。」

小雪ちゃん:
「うん。しかもBYDは“バッテリーから半導体まで全部自前”をモットーにしているから、比亜迪半導体の役割はますます大きくなるよ。」


まとめ

  • **比亜迪半導体(BYD Semiconductor)**はBYDの子会社で、EV用半導体を中心に展開
  • 強みはパワー半導体(IGBTやSiC)、EVの“心臓部”を支える
  • 2024年売上は約1,300億円、急成長中で将来の独立上場も視野
  • 世界大手(インフィニオン、ルネサス、NXP)には規模で劣るが、中国国内ではトップランナー
  • EV普及に伴い需要は拡大、国家戦略としても重要
  • 日本企業とは競争と協力の両面で関係を持つ

小雪ちゃん:
「比亜迪半導体は“BYDのEV帝国の頭脳”。世界に挑戦する中国半導体の象徴でもあるんだよ。」

柴くん:
「なるほど!車を走らせるのはモーターやバッテリーだけじゃなくて、半導体の力なんだね。」

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