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🏢第140回 中国船舶集団(CSSC)

中国の会社
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― 世界最大の造船企業 ―


1|どんな会社?

柴くん:
「小雪ちゃん、“中国船舶集団(CSSC)”ってどんな会社なの?」

小雪ちゃん:
「CSSCは中国の国有造船グループで、世界最大の造船企業だよ。正式には“China State Shipbuilding Corporation”っていうんだ。2019年に中国の大手造船2社(CSSCとCSIC)が統合して、巨大グループになったんだ。」

柴くん:
「へぇ!じゃあ、日本でいう三菱重工とか川崎重工をまとめたくらいの存在なの?」

小雪ちゃん:
「うん、それ以上かもしれないね。商船から軍艦、潜水艦、さらには船用エンジンや電子機器まで全部作れる“総合造船企業”なんだ。」


2|どれくらい大きいの?

小雪ちゃん:
「2024年のCSSCの売上は約13兆円。これは造船業界で世界トップなんだよ。ちなみに日本の造船最大手“今治造船グループ”は売上1兆円ちょっとだから、CSSCはケタ違いの規模なんだ。」

柴くん:
「13兆円!?もう“造船のガリバー”って感じだね。」


3|商船の世界シェア

小雪ちゃん:
「CSSCはコンテナ船やタンカーといった商船で世界シェアNo.1。韓国の“現代重工業グループ(HD Hyundai)”や“サムスン重工業”と競ってるんだ。中国政府の支援を背景に、国際的な受注競争でもどんどんシェアを伸ばしてるよ。」

柴くん:
「世界の物流を担う巨大コンテナ船の多くが、中国で作られてるってこと?」

小雪ちゃん:
「そう。実際、世界で運航している大型コンテナ船の半分以上は中国・韓国製なんだ。日本は昔は強かったけど、今は高付加価値の分野に特化してるね。」


4|軍事造船の顔

柴くん:
「でも、船って商業用だけじゃなくて軍事用もあるよね?」

小雪ちゃん:
「その通り。CSSCは中国海軍の艦艇をほぼ一手に建造しているんだ。空母“遼寧”や“山東”もCSSCの造船所で改修・建造されたし、最新鋭の空母“福建”もCSSCが手がけている。」

柴くん:
「えっ!中国の空母を作ってるのもCSSCなの?」

小雪ちゃん:
「そう。駆逐艦、フリゲート、潜水艦、強襲揚陸艦まで、中国海軍の“船の骨格”を全部支えてる。だからCSSCは単なる企業じゃなくて、“国家安全保障の要”なんだ。」


5|研究開発と技術力

小雪ちゃん:
「CSSCは研究開発にも力を入れていて、スマートシップ(自動運航船)やLNG燃料船の技術を積極的に開発してる。最近は環境規制が厳しくなってるから、“脱炭素対応の船”を世界に輸出する動きもあるよ。」

柴くん:
「EVの船バージョンみたいな感じか!」

小雪ちゃん:
「そうそう。電気推進や水素燃料を使う次世代船の研究も進めてるから、未来の“クリーンシップ”分野でも存在感を出そうとしてるんだ。」


6|日本との比較

柴くん:
「日本の造船業と比べると、どうなんだろう?」

小雪ちゃん:
「日本は昔は“造船大国”で、1970年代には世界シェア5割を誇ってたんだ。でも今は韓国・中国に抜かれて、シェアは2割以下。日本の強みは“高付加価値船”。例えばLNG船や自衛艦、潜水艦などの特殊船は世界的に評価が高いんだ。

一方CSSCは“量と規模”で圧倒。大量受注でコストを下げ、国家プロジェクトで資金も豊富。だから圧倒的シェアを維持できるんだよ。」

柴くん:
「日本は品質勝負、中国はスケール勝負ってことだね。」


7|課題もある

小雪ちゃん:
「もちろんCSSCにも課題はあるよ。最大の課題は“過剰生産リスク”。中国は造船能力が大きすぎて、世界的に船の需要が減ったときに赤字化しやすいんだ。」

柴くん:
「なるほど。マンションの過剰供給と似てるね。」

小雪ちゃん:
「そうそう。もう一つは“軍事依存”だね。中国海軍の拡張で支えられている部分が大きいから、国際的な緊張が高まると企業イメージにも影響が出る。」


8|まとめ

  • 中国船舶集団(CSSC)は2019年に統合され誕生した世界最大の造船グループ
  • 2024年売上は約13兆円、日本最大の造船会社の10倍規模
  • 商船(コンテナ船・タンカー)で世界シェアNo.1
  • 中国海軍の空母や駆逐艦、潜水艦を建造する“軍事の要”
  • 環境規制対応の次世代船(スマートシップ・LNG船)でも開発を進めている
  • 日本は高付加価値船で勝負、中国はスケールと国家支援で圧倒
  • 課題は“過剰生産”と“軍事依存”

小雪ちゃん:
「CSSCはまさに“造船界の巨人”。世界の海運と中国海軍の両方を支えているんだ。」

柴くん:
「うーん…まるでワンピースの“海軍本部”みたいな会社だね(笑)」

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