中国初の“ネット専業銀行”が生んだ金融革命
1. WeBankってどんな銀行?
柴くん:小雪ちゃん、この前ネット銀行の話が出たけど、中国に「WeBank(微衆銀行)」ってあるんだよね?
小雪ちゃん:そうそう。WeBankは2014年に深センでできた、中国初のネット専業銀行だよ。支店や窓口は一切なくて、スマホやパソコンだけで口座開設から融資まで全部できちゃう。
柴くん:日本の楽天銀行や住信SBIネット銀行みたいな感じか!
2. テンセントが後ろ盾
小雪ちゃん:WeBankを作った中心は、IT大手のテンセント。だからサービスは「WeChat(中国版LINE)」と連動してて、アプリからそのまま残高確認や送金ができるの。
柴くん:LINEから銀行がそのまま使えるってこと?それは便利すぎる…!
3. サービスの特徴
小雪ちゃん:WeBankの特徴はね――
- 小口融資:AIが信用スコアを算出して、最短数秒で融資可能
- 中小企業向け融資:売上データを基に担保なしで融資
- 低コスト運営:支店がないから手数料が安い
柴くん:従来の銀行じゃ借りにくい人たちも助かるんだね。
4. 成長スピード
柴くん:実際どれくらい大きいの?
小雪ちゃん:2024年の時点で――
- 総資産:約45兆円
- 純利益:約3,000億円
- 利用者数:3億人以上
設立からわずか10年で、中国の中堅〜大手銀行クラスに並んでるよ。
柴くん:たった10年で!?日本の銀行じゃ考えられない成長スピードだ…。
5. 日本のネット銀行と比べると
小雪ちゃん:代表的な日本のネット銀行と比べるとこんな感じ(2024年)。
- WeBank(中国):総資産 約45兆円、純利益 約3,000億円
- 住信SBIネット銀行:総資産 約11兆円、純利益 約480億円
- 楽天銀行:総資産 約13兆円、純利益 約630億円
柴くん:うわっ、WeBankは楽天や住信SBIの3〜4倍の規模!しかも利益も数倍じゃん。
小雪ちゃん:そう。ユーザー数も桁違いで、WeBankは3億人以上。日本のネット銀行はまだ1,000万口座前後だから、その差は歴然だよ。
6. 中国国内の銀行と比べると?
柴くん:でも、中国にはめっちゃ大きい銀行があるでしょ?ICBCとか。
小雪ちゃん:うん。中国四大銀行と比べるとこうなるよ(2024年)。
- 中国工商銀行(ICBC):総資産 約530兆円
- 中国建設銀行(CCB):総資産 約480兆円
- 中国銀行(BOC):総資産 約420兆円
- 中国農業銀行(ABC):総資産 約460兆円
- WeBank:総資産 約45兆円
柴くん:あっ…桁が一つ違う(笑)。WeBankもすごいけど、やっぱり国有のメガバンクはケタ違いなんだな。
小雪ちゃん:そう。でも「支店ゼロ・設立10年」でここまで伸びたのは異例。中国の銀行界でイノベーションを起こした存在なんだよ。
7. 強みと課題
柴くん:WeBankの強みって、やっぱりAIとスマホ?
小雪ちゃん:そう。強みは――
- テンセントのWeChatと連動した利便性
- AIによる信用スコアで小口融資を大量に回せる仕組み
- コストの低さ(支店がない)
でも課題もあるよ。
- 個人情報や信用スコアの透明性
- 規制当局からの監視
- 地方でのネット環境の格差
8. まとめ
小雪ちゃん:まとめると、WeBankは総資産45兆円・利用者3億人超の巨大ネット銀行。日本の楽天銀行や住信SBIより3〜4倍大きく、中国国内でも存在感を増している。四大国有銀行にはまだ遠いけど、成長スピードと革新性では群を抜いているんだ。
柴くん:日本で言うと「楽天銀行+LINE」を超進化させて、しかも10年で中堅銀行クラスに成長したってことか。すごい時代だね!
小雪ちゃん:うん。中国の金融の未来を考えると、WeBankみたいな「ネット専業銀行」がますます主役になっていくかもしれないよ。
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