アウトレット特化と共同購入、さらに世界へ
1. 中国ECの多様な戦略
柴くん:中国のECってアリババやJD.comのイメージが強いけど、それ以外にもすごい会社があるんだよね?
小雪ちゃん:そうだよ。たとえば「Vipshop(唯品会)」と「Pinduoduo(拼多多)」。どちらも総合型じゃなく、特化型の戦略で大成功した会社なんだ。
2. Vipshop(唯品会)とは?
小雪ちゃん:Vipshopは「アウトレット特化型EC」。ブランド品や衣料品の余剰在庫を大量に仕入れて、ネットで割引販売してるんだよ。
- 設立:2008年
- 売上:2024年で約8兆円
- ユーザー層:7割が女性(ファッション・コスメが中心)
- 強み:ブランドとの在庫処分ネットワーク+割安感
柴くん:日本でいうと「ZOZOTOWN+三井アウトレットパーク」をスマホでやってる感じか!
3. Pinduoduo(拼多多)とは?
小雪ちゃん:一方のPinduoduoは「共同購入型EC」。アプリで友達や家族と一緒に買うと安くなる仕組みで、SNSみたいに広がって人気になったんだ。
- 設立:2015年
- 売上:2024年で約8兆円
- 純利益:約1.3兆円(利益率が高いのが特徴)
- ユーザー層:農村部や地方都市の消費者が多い
- 扱う商品:生鮮食品から日用品まで幅広い
柴くん:日本で言うと「メルカリ+コストコのまとめ買い」をSNSでやってる感じだね!
4. 2社の違いを整理すると
- Vipshop(唯品会):
→ ブランド在庫のアウトレット特化
→ 女性ファッションやコスメ中心
→ 都市部の消費者に人気 - Pinduoduo(拼多多):
→ 共同購入で安く買える
→ 食品・日用品中心で生活密着
→ 地方や農村の消費者に強い
柴くん:同じECでも、ターゲットも戦略もまったく違うんだね。
5. Pinduoduoの海外戦略「Temu」
柴くん:そういえば、最近CMで「Temu(ティームー)」って名前をよく聞くけど、あれってPinduoduoと関係あるの?
小雪ちゃん:大あり!TemuはPinduoduoが海外向けに展開しているアプリなんだ。2022年にアメリカでスタートして、今はヨーロッパや日本にも広がってるよ。
- キャッチコピー:「Shop like a billionaire(億万長者みたいに買おう)」
- 特徴:とにかく激安。洋服が500円、イヤホンが300円みたいな価格で売られてる。
- 売上規模:2024年にはすでに数兆円規模に拡大。広告費を大量投下してユーザー数を急増させた。
- 日本展開:2023年からアプリ配信開始。若い世代を中心に利用者が急増中。
柴くん:なるほど!アプリのCMでよく見る「Temu」は、Pinduoduoの“海外版”だったのか!
6. Temuと日本での例え
小雪ちゃん:日本で例えると「Qoo10(メガ割で人気)+メルカリ」みたいな感覚に近いね。安さとまとめ買い感覚で一気に人気を集めてる。
柴くん:そう言われるとイメージ湧く!確かに「めちゃ安い」ってところが受けそうだね。
7. まとめ
小雪ちゃん:まとめると――
- Vipshop(唯品会):アウトレットに特化、都市部・女性に人気、売上8兆円規模。
- Pinduoduo(拼多多):共同購入型で急成長、地方に強く、利益率も高い。
- Temu(海外版):Pinduoduoの海外ブランド、アメリカ・日本でも急拡大中。
柴くん:アリババやJD.comみたいな総合型に正面から勝負せず、特化型+海外展開で成功してるのが面白いね!
小雪ちゃん:そうそう。中国ECは単に「大きい」だけじゃなく、戦略の多様さが世界市場を動かしてるんだよ。
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