― 恒瑞医薬を中国No.1製薬に育てた経営者 ―
1|どんな人?
柴くん:
「小雪ちゃん、“孫飄揚(スン・ピャオヤン)”って誰なの?」
小雪ちゃん:
「孫さんは恒瑞医薬(Hengrui Medicine)の創業者で、中国製薬業界を代表する経営者だよ。1958年生まれで薬学博士の学位を持つ研究者出身。安徽省で育って、薬の研究を土台にキャリアを積み上げた人なんだ。」
柴くん:
「研究者がそのまま会社のトップになったんだ!だから恒瑞が“研究重視”なんだね。」
2|“ジェネリック”から“新薬”への転換
小雪ちゃん:
「1990年代、中国の製薬会社の多くは“ジェネリック薬”に依存していたんだ。でも孫さんは“それじゃ世界と戦えない”と考えて、恒瑞を“新薬中心の企業”へと方向転換させたんだよ。」
柴くん:
「新薬って、開発に10年以上もかかるんだよね?すごくリスクが大きそう…」
小雪ちゃん:
「そう。でも孫さんは“未来を切り拓くにはイノベーションしかない”と決めて、売上の15%以上を研究開発に投資するという思い切った経営をしたんだ。」
3|名言ににじむ信念
小雪ちゃん:
「孫さんの代表的な言葉がこれだよ。」
『創新是企業的生命』
(Chuàngxīn shì qǐyè de shēngmìng)
イノベーションこそが企業の生命だ。
柴くん:
「シンプルだけどカッコいい!研究者らしい言葉だね。」
小雪ちゃん:
「この信念があったからこそ、恒瑞は“コピー薬の会社”から“新薬メーカー”へと成長できたんだよ。」
4|人材重視の経営
柴くん:
「孫さんって、研究だけに強いタイプ?それとも経営も得意なの?」
小雪ちゃん:
「両方だね。孫さんは“人材こそ製薬の最大資産”という考え方を持っていて、社員教育に力を入れたんだ。たとえば若手研究者を海外に送り出したり、欧米の製薬大手から人材をスカウトしたりして、恒瑞を国際的な研究チームにしたんだよ。」
柴くん:
「なるほど!薬の開発は頭脳戦だから、人材への投資が一番大事なんだね。」
5|世界への挑戦
小雪ちゃん:
「孫さんは“恒瑞を世界トップ製薬企業の仲間入りさせる”ってビジョンを掲げているんだ。中国国内での強さを基盤に、アメリカやヨーロッパで臨床試験を進めて、グローバル新薬を作ろうとしてる。」
柴くん:
「つまりファイザーやロシュと同じ土俵に立とうとしてるんだね!」
小雪ちゃん:
「そう。まだ売上規模では及ばないけど、中国の巨大市場を背景にすれば、恒瑞が世界で存在感を出すのは十分あり得るんだよ。」
まとめ
- 孫さんは恒瑞医薬の創業者で薬学博士
- “ジェネリック依存”から“新薬中心”へ会社を大転換させた
- 名言「創新是企業的生命(イノベーションこそが企業の生命)」
- 社員教育・人材投資を重視し、国際的な研究チームを形成
- 中国市場を足場に、ファイザーやロシュと肩を並べる挑戦を続ける
小雪ちゃん:
「孫さんは、中国製薬の“コピーの時代”を終わらせた人なんだよ。」
柴くん:
「なるほど!未来のノーベル賞級の薬が中国から出るとしたら、その背景には孫さんがいるってことだね。」
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