🌟第１９０回　黄錦峰（ホアン・ジンフォン）

──“美しさは物語である”と信じたコスメ革命家

1. ロレアルで気づいた“違和感”

柴くん：小雪ちゃん、黄錦峰さんって完美日記を作る前、
ロレアルにいたって前に聞いたけど、
なんでわざわざ安定した外資を辞めちゃったの？

小雪ちゃん：うん、それがまさに彼の人生の転機。
彼はロレアル中国で商品企画と市場データ分析を担当してて、
世界ブランドの戦略を中国で展開する仕事をしてたの。

でもある時、彼は思ったんだ。

「中国の若者が、自分たちのブランドを“誇り”として語る日はいつ来る？」

柴くん：あぁ…それ、ちょっとグッとくるな。
小雪ちゃん：でしょ？
外資のやり方は確かに洗練されてたけど、
そこに“自分たちの文化”がないと気づいたんだ。

2. 創業の原点は「文化を美に変える」

小雪ちゃん：彼が完美日記を作ったのは、
「安いコスメを作る」ためじゃないんだよ。

本当の目的は——

“中国の美学”を、世界に通じる形で表現すること。

柴くん：中国の美学って？
小雪ちゃん：たとえばね、彼は「唐代の化粧」や「宋代の色彩文化」を研究して、
それを現代デザインに落とし込むチームを作ってるの。

柴くん：うわ、それ本気の文化研究やん…。
小雪ちゃん：そう。だから彼はただの経営者じゃなくて、
“文化プロデューサー型CEO”なんだ✨

3. 「美は学問になる」──彼の哲学

小雪ちゃん：黄さんはよくこんな言葉を言ってるんだ👇

「美，不是肤浅的装饰，而是一种认知的力量。」
(Měi, bú shì fū qiǎn de zhuāng shì, ér shì yī zhǒng rèn zhī de lì liàng.)
「美とは表面の飾りじゃない。それは“認識の力”だ。」

柴くん：つまり、“美”って知識とか考え方に近いんだね。
小雪ちゃん：そう。彼にとってメイクは「外見」じゃなくて、
**“自分を理解する手段”**なんだ。

4. 社員との距離が近い“共創型リーダー”

小雪ちゃん：黄さんの会社ではね、
社員が社長を「黄哥（ホアン兄貴）」って呼んでるんだって。

柴くん：あはは、なんか親しみある！
小雪ちゃん：うん。上下関係よりも「一緒に創る仲間」って感じ。
毎週のミーティングでは、社員が自由にアイデアを出して、
「いいね、それTikTokで実験してみよう」ってすぐ試す。

そのスピード感と信頼が、会社の強みなんだ。

「领导不是控制，而是点燃热情。」
(Lǐng dǎo bú shì kòng zhì, ér shì diǎn rán rè qíng.)
「リーダーとは支配する人じゃない。情熱に火をつける人だ。」

柴くん：うわぁ、この言葉いいなぁ…。
まるで先生じゃなくて“コーチ”みたいなリーダーだね。

5. “美×テクノロジー”の融合を進める経営者

小雪ちゃん：あとね、黄さんって意外と理系的な経営者でもあるんだ。
2022年以降、完美日記ではAIを使って、
ユーザーの肌色・好み・地域データを分析して、
「おすすめカラー」を自動提案するシステムを導入してるの。

柴くん：おおっ、データの力で“似合う色”を出すのか。
小雪ちゃん：うん。
彼は「感性とデータを両立させるブランド」を目指してる。

だから彼の社内チームは「データサイエンス×美学デザイン」みたいに、
文系と理系が同じ机で議論してるんだよ。

6. 「コスメ＝社会メッセージ」

小雪ちゃん：黄さんの考え方で特に面白いのが、
「コスメは社会を語るメディア」っていう発想。

完美日記の限定シリーズでは、
・女性教育支援キャンペーン
・野生動物保護とのコラボ
・LGBTQ＋をテーマにしたパッケージデザイン

など、社会的テーマを商品に込めてるんだ。

柴くん：それって、メイクしながら“考えるきっかけ”になるね。
小雪ちゃん：そう！彼はそれを「考える美」って呼んでるんだ。

7. 黄錦峰の“静かな野心”

小雪ちゃん：彼の口癖はね、

「我们不是中国最强的美妆品牌，而是最有灵魂的。」
(Wǒ men bú shì zhōng guó zuì qiáng de měi zhuāng pǐn pái, ér shì zuì yǒu líng hún de.)
「私たちは中国で最強の化粧品ブランドではない。
けれど最も“魂のある”ブランドでありたい。」

柴くん：うわ…“魂のあるブランド”って響きがすごいね。
小雪ちゃん：うん。
売上やシェアよりも、「人の心に残るブランド」を作りたいんだって。