🌟第２１１回　曲道奎（Chü Daokui）

──ロボットで人を支える、“機械文明”の思想家

柴くん：曲道奎（きょく・どうき）って名前、初めて聞いた！
どんな人なの？

小雪ちゃん：1959年生まれ、中国の遼寧省出身。
つまり、Siasunの本拠地・瀋陽（しんよう）と同じ土地の人なんだ。

彼は子どもの頃から機械いじりが大好きで、
大学では自動制御工学を専攻。
そのまま**中国科学院（CAS）**に進んでロボット研究に没頭したの✨

小雪ちゃん：彼はただのエンジニアじゃないんだ。
1980年代から中国初の産業ロボット研究を指導してきた人で、
国家のロボット戦略そのものを設計した中心人物。

柴くん：え、国家プロジェクトの設計者！？
小雪ちゃん：そう！
いまの「中国製造2025（Made in China 2025）」の中の
“スマートロボット産業”の基礎を作ったのが、彼なんだよ🤖✨

小雪ちゃん：2000年、曲道奎は中国科学院の研究員から独立して、
**Siasun Robot & Automation（新松機器人）**を設立。

「研究で終わらせず、現場で使えるロボットを」という思いから、
研究所発の民間企業としてスタートしたんだ。

いまでは売上約2,000億円、中国最大のロボット企業に成長。
研究者から企業家に転身して成功した、まさに“橋渡し役”なんだ✨

「让机器人服务人类。」
(Ràng jīqìrén fúwù rénlèi.)
「ロボットは、人間に仕えるためにある。」

柴くん：うわぁ…シンプルだけど深いな。
小雪ちゃん：そう。彼の哲学は「人間中心の技術」。
つまり、“機械が主役になる社会”じゃなくて、
“人を支える道具としてのロボット”を目指してるの。

「智能制造不是机器替代人，而是人与机器的协同。」
(Zhìnéng zhìzào bú shì jīqì tìdài rén, ér shì rén yǔ jīqì de xiétóng.)
「スマート製造とは、人を機械が置き換えることではなく、
　人と機械が協力することだ。」

柴くん：これ、めちゃくちゃかっこいいじゃん。
小雪ちゃん：でしょ？✨
AIとかロボットの話って、よく「人の仕事が奪われる」って言われるけど、
曲さんは真逆で「人と機械が助け合う社会」を信じてるの。

小雪ちゃん：彼は“研究者”でもあり“経営者”でもあり“政策アドバイザー”でもある。
中国政府のロボット産業協会の副会長を務めてて、
産業用・医療用・サービス用ロボットの国家規格を作った人でもあるのよ。

柴くん：うわ、それもう“ロボット界の安倍晴明”じゃん（全部見えてる人）😂
小雪ちゃん：（笑）たしかに、未来を予測してるタイプかも。

小雪ちゃん：曲さんの描く未来は、「人とロボットが共生する社会」。

たとえば——

柴くん：なるほど。ロボットが“敵”じゃなくて“相棒”になる世界か。
小雪ちゃん：そう✨
彼はそれを「鉄の友人（Iron Friends）」って呼んでるんだよ。

小雪ちゃん：実は曲さん、海外でもめちゃくちゃ評価されてる🌍
MITテクノロジーレビューでは
「アジアを代表するロボット思想家」として紹介されたこともある。

さらに、ドイツのKUKAや日本のファナックと
共同プロジェクトを進めるなど、国際連携の架け橋にもなってるんだ🤝

小雪ちゃん：ちょっとかわいい話もあるよ😊

あるインタビューで「あなたにとって理想のロボットは？」って聞かれたとき、
彼はこう答えたんだ👇

「能够理解人类情感的机器人。」
(Néng gòu lǐjiě rénlèi qínggǎn de jīqìrén.)
「人の感情を理解できるロボット。」

柴くん：うわ、それ…AIの未来そのものじゃん。
小雪ちゃん：でしょ？✨
彼にとってロボットは“道具”じゃなく、“共感できる存在”なんだよ。

小雪ちゃん：まとめると——

柴くん：なんか“科学者”っていうより、“未来を語る哲学者”って感じするね。
小雪ちゃん：うん✨
曲道奎は、中国にとっての「鉄腕アトムをつくる大人たちの代表」なんだよ🤖❤️