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🏢第150回 石薬集団(CSPC)

中国の会社
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― 抗生物質から新薬へ、中国製薬の“次の主役” ―


1|どんな会社?

柴くん:
「小雪ちゃん、“石薬集団(CSPC)”ってどんな会社なの?」

小雪ちゃん:
「石薬集団は中国・河北省石家荘市に本社を置く製薬企業だよ。1938年に創業して、最初は“抗生物質やビタミン剤”を作る会社だったんだ。今では中国を代表する総合製薬企業のひとつになってるよ。」

柴くん:
「石家荘の“石”を取って“石薬集団”って名前なのかな?」

小雪ちゃん:
「そうそう、まさに地名が社名になってるんだ。」


2|どれくらい大きいの?

小雪ちゃん:
「2024年の売上は約6,500億円。中国の製薬企業としてはトップクラスで、世界的に見ても中堅〜大手に位置づけられるよ。従業員は約2万人。香港証券取引所に上場していて、投資家からも注目されてるんだ。」

柴くん:
「へぇ!日本の製薬大手(武田薬品とか第一三共)が2兆円超だから、それには及ばないけど、しっかり大きい会社だね。」

小雪ちゃん:
「そう。しかもCSPCは“成長力のある会社”として注目されてるんだ。」


3|主な事業

小雪ちゃん:
「CSPCの事業は大きく3つに分けられるよ。」

  1. 化学製薬
    • 抗生物質(ペニシリン、アモキシシリン)
    • ビタミンC(世界最大級の生産能力)
    • ジェネリック医薬品
  2. バイオ医薬
    • 抗体医薬品
    • がん免疫療法の研究開発
    • バイオシミラー(バイオ医薬の後発品)
  3. イノベーション医薬
    • がん治療薬(特に肺がん・乳がん向け)
    • 心血管系・糖尿病治療薬
    • 中枢神経系の新薬開発

柴くん:
「昔は抗生物質やビタミンが中心だったけど、今はがんや糖尿病の薬まで作ってるんだね!」

小雪ちゃん:
「そう。“ジェネリックから新薬へ”っていう進化を遂げてるんだよ。」


4|なぜ注目されてるの?

柴くん:
「どうしてCSPCは注目されてるの?」

小雪ちゃん:
「理由は“研究開発への積極投資”だよ。毎年売上の15%以上を研究に回していて、中国企業の中ではかなり高い割合。

  • がん免疫チェックポイント阻害薬
  • 分子標的薬
  • バイオ医薬品

こうした分野に挑戦しているから、“中国の次世代製薬リーダー”って呼ばれてるんだ。」

柴くん:
「欧米の製薬大手と同じように、“新薬で勝負できる会社”に進化しようとしてるんだね!」


5|ライバルとの比較

小雪ちゃん:
「ライバルはやっぱり中国国内外の大手製薬会社だよ。」

  • 恒瑞医薬(Hengrui):中国最大級の新薬メーカー、がん治療に強い
  • 復星医薬(Fosun Pharma):買収戦略で急成長、海外展開も活発
  • ロシュ(スイス):世界トップ、がん領域で圧倒的強み
  • 中外製薬(日本):ロシュ傘下、抗体医薬で強み

小雪ちゃん:
「石薬集団は規模ではロシュや武田には劣るけど、“研究開発に投資して伸びてる会社”として評価されてるんだ。」

柴くん:
「つまり“安定感の恒瑞”“買収型の復星”“研究型の石薬”って感じだね。」


6|日本との関わり

小雪ちゃん:
「日本とも関係あるよ。例えば中外製薬や第一三共と同じ領域(がん、糖尿病)を狙っているから、日本市場でも競合になる可能性があるんだ。

それにCSPCは“ビタミンCの世界最大供給者”だから、日本の飲料やサプリの原料も間接的にCSPC製かもしれないよ。」

柴くん:
「えっ!僕が飲んでるビタミンドリンクの原料が、中国の石薬集団の工場で作られてる可能性があるのか!」


7|課題

小雪ちゃん:
「もちろん課題もあるよ。」

  • 国際的な臨床試験や認証の経験がまだ少ない
  • 海外でのブランド力が弱い
  • 中国国内の薬価規制で利益率が下がるリスク

柴くん:
「新薬を作っても、世界で認められないと広がらないんだね。」

小雪ちゃん:
「そう。でも近年はアメリカや欧州での臨床試験も増えていて、“世界進出”への準備を進めてるよ。」


8|まとめ

  • **石薬集団(CSPC)**は1938年創業、中国河北省の大手製薬企業
  • 売上は約6,500億円(2024年)、従業員2万人
  • 事業は「化学製薬」「バイオ医薬」「イノベーション医薬」の3本柱
  • 抗生物質・ビタミンから新薬開発へシフト中
  • 中国内のライバルは恒瑞医薬や復星医薬、世界ではロシュや中外製薬
  • 日本ともビタミン原料などで関わりあり
  • 課題は国際認証や薬価規制だが、“次世代リーダー”として期待大

小雪ちゃん:
「石薬集団は“ジェネリックの巨人”から“新薬の挑戦者”に変わろうとしてるんだよ。」

柴くん:
「なるほど!中国の医薬品ってまだジェネリックのイメージが強いけど、石薬みたいな会社が世界の舞台に出てきたら、一気にイメージが変わるかもね。」

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